令和新撰組山本太郎が石垣入り

 夏の参議院選挙で2議席を獲得した政党、令和新撰組の山本太郎代表が11月3日、午後2時からANAコンチネンタルリゾートホテル真栄里の間で「おしゃべり会」を開催。

 会場には若い層を中心に約300人が詰めかけ、今年4月1日に決まった元号「令和」の名を冠する希な新興の政治勢力で、混沌とした政治状況の中、注目される政党の代表の石垣入りを見守っていた。

 参議院選挙で2議席の獲得を遂げるも、党の山本代表自身は落選。山本氏はそれを逆に、自由の利く身となり有効に利用したいと北海道、九州と回り、今回石垣入り。この日本最南端の八重山諸島エリアへ足を運んで、令和新撰組への支援を呼びかけてみせた。

 人口5万ほどの小さな島に、足を運ぶ2議席の政党幹部は、次期選挙への自信のほどがうかがえる。

 登壇した山本氏は、冒頭から石垣入りして石垣島まつり開催を知ったことに触れ、日程をこの日に組んだことを来場者に詫びていた。

 山本太郎への質問から会は進行して、挙手を求めると多くの数の手が上がり、2時間を質問と回答で繰り返されていた。

 来場者へ丁寧な接し方と、一貫した姿勢および質問への真摯な態度は、老若男女から好感を引き出す能力がずば抜けている。

 紋切り型の政治家然とした話しぶりに、飽き飽きしている一般者には、新しい空気を感じさせ、それが令和旋風の源泉かも。

 わかりやすく、伝わりやすく、世の中の社会問題を、身近に考えるきっかけを生みだすとすれば、潜在能力の高い政治家と言えそう。

 日ごろからインターネットで山本氏の動画を見ている人が全国に散らばっている模様で、新興勢力として新たな風を巻き起こす全国行脚活動を、見逃せない思いでいる人が「おしゃべり会」に足を運んでいる。

 元タレントが、原発反対、消費税撤廃、セーフティーネット充実をスローガンに突き進むわかりやすい主張は、山を動かすかも。

【冒頭のQ&A抜粋】

Q:質問は2つです。まず、建築の研修を受けて西表島に帰ってきた時、お金が無くなり、生活保護という形で支給される一時生活支援金の制度を利用しようと、この時住んでいた大家さんに協力をお願いしたところ、断られてしまい、困った経験があります。

 生活支援の制度に関しての周知の浸透が少ないと感じています。これに関してどう思うか。

A:返済はどうなるのでしょうか。すみません。その制度について詳しく知らないのですが、教えてもらえますか。

Q、返済の必要はありません。3か月間に限った支給で、お金は現金を渡されるのではなく、大家さんの方に支払われ、家賃と食費を合わせた額が出ます。大家さんとの協力関係が必須となります。

A:3か月しか使えないものですか。

Q、3か月を越えると生活保護の方になるのですが、生活保護を受けると車が乗れなくなるので、離島では車が欠かせませんから、・・・。

A、3か月しか受けられず、車があれば生活保護が受けられないというのは、セーフティーネットとしては、欠陥があると思う。

3か月の後は、状況を見て延長があるべきです。生活保護がセーフティーネットにはなっていない。むしろ、昨今は刑務所がセーフティーネットと言われるほどで、貧窮から軽微な犯罪を犯して刑務所に入る、あるいは居場所の問題で刑務所に入る人が増えている。

 生活保護は人間の尊厳を守るものとはなっていない。

 すべて失わないと受けられない制度というのは、再出発や、立ち上がるのにも時間がかかることになり、費用はかさむことになる。

 むしろ、生活一時金のような生活支援、家賃支援で、すべてを失う前に支えてく生存保障制度のようなものが必要。

Q、もうひとつは、自分の意見を述べた後に、難しい専門的な話をされ、私が理解ができなかったことから、わからない人は話をするなといわれました。こういう際は、どういう対応がいいのでしょうか。

A、それは、最初から話をする気がない人ですね。人と話をすることで議論を深めるつもりがない。

 相手を論破するつもりで話をしているのだと思います。ネットで見られることですが、「山本太郎こそが唯一の選択肢である」という主張をされる人がありますが、これはハレーション(悪い影響を及ぼす:副作用)が大きくなるばかりだと思います。

 私は、ネットで票が増えるとは思っていません。ネットで誰かを説得しようと思って、一生懸命やってくださる人がネット上でいらっしゃるのですが、私はそれで票が伸びるとは思っていません。

 リアルにやってほしいのは、ポスターです。考え方が固まっている人を説得することは、時間の無駄かもしれない。むしろ、関心を持っていない人へ語り掛ける方が、広がりが出てくるだろうと思います。

 自分の考えを深めるために、いろんな人と議論することで、勉強になったり、お互いに影響を受けたりする活動であれば、有意義だと思います。

 なんとかわかってもらおうとネットでやりとりするのは、広がりをもつことに結びつかないと思う。

 ネットでの選挙活動が2015年に解禁となって、山本太郎はネット選挙で政局をつくってきたというイメージがあるのですが、ネットは政局を拡大するためのツールではないと思う。

 やはり草の根。草の根以外ないのですよ。力を貸していただけるなら、ポスター。ポスターが一番効果を出してくれる。

 ポスターが多く張ってある地域は、投票率が上がっていく。ネットは票にはつながらない。人の目につく場所のポスターが、いいのですが、これが一番しんどいんです。

 本人が言って断られるのですから、「何しにきやがった」と、断られるんですから。

 歩いて、ポスターを張らせてくださいとお願いをして回ります。

 日本は、家の軒先で政治の話をすることはありませんね。だから、ポスターをお願いしながら、政治の話をするきっかけづくりにもなったりします。

 議論になった場合は、是非教えてくださいと聞くのが最強です。私も、この場で質問に満足に答えることができるかわかりません。

 山本太郎ですから。そんなときは、ご存知の方が教えて下さい。そんなスタンスで取り組んでいます。

 街頭で誰でも質問してくださいというと、いつも緊張するんです。それは、答えられないことがほとんどでしょうから。

 だって、多岐にわたるじゃないですか、社会問題は。それに対して、明確な答えがすべて出せるはずもございませんので。逆に、わからないことがあれば、教えてほしいというスタンスだから、街に出られる。

 議論をして、おしえてほしいとお願いすると、向こうも知らなかったりしますからハハハハハ。結構、そういうパターンも多いですから。

 そういう方法でいけば、対立を作らず議論が進められると思うのですが。山本太郎的には、確実に広められるにはポスター。一番しんどいけれども、強制的に目に入りますから。

(流杉一行)

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