具志堅用高氏が一日署長に 「STOP特殊詐欺」の呼びかけに 握手や写真撮影を求める笑顔の市民

 かつて例年実施されていた年末に向けての防犯活動は、年末年始に起こりがちな忘年会シーズンでの飲酒がらみの事件事故や繁忙期に起こりがちな交通事故を避けるものだった。

 かくしてコロナ禍を経て、年末警戒の重点は、水難事故、飲酒運転、詐欺行為への注意喚起に動いている。

 12月15日、県警八重山署は地元八重山の英雄で知られるプロボクシング元世界チャンピオンの具志堅用高氏を一日署長に招いて、防犯の呼びかけを実現。八重山署の見学に訪れたあらかわこども園の幼稚園児との交流と、石垣島の3金融機関とユーグレナモールおよび離島ターミナルでのチラシの配布に取り組んだ。

 この日、午後1時頃に署長室で前堂也寸志署長から一日署長の委嘱状を受けた具志堅用高氏は、さっそく「世界タイトルマッチの認定証をもらったような感じです」と笑いを取って、着替えに向かい、整列する署員を前に服装検査を実施。手帳、警棒、手錠と携帯必須のものを検査後、園児たちの交流を終えて、特殊詐欺に注意喚起を促すビラの配布に署を出発した。

 沖縄銀行八重山支店に到着した具志堅用高署長は、八重山防犯協会の面々とともに銀行に来訪する人に声をかけて「STOP特殊詐欺」と書かれたビラを渡しながら、注意喚起していた。元プロボクシング世界チャンピオンで地元の誇りとして知られる具志堅用高氏だとわかると、皆笑顔があふれて、写真撮影を依頼する人が続々現れ、人気ぶりが現れていた。

 このあと、琉球銀行八重山支店、沖縄海邦銀行八重山支店、ユーグレナモールとビラ配りを実施。最後はユーグレナ石垣港離島ターミナルで、ベンチに座る人に次々に声をかけて、特殊詐欺に注意するよう呼びかけていた。

 具志堅署長は、同ターミナルに設置されている具志堅用高像の前で「何年ぶりにこのポーズをとったかな」と、懐かしそうに銅像を見た後にポーズをとってみせ、記者団にサービス。

  最後に「年末年始、安全に安心で(過ごせる)八重山(を望みます)ということのアピールです」と具志堅用高署長は述べ、記者からポーズつきの「犯罪をノックアウト」を言ってほしいという依頼に、署長は快く応え、ボクシングポーズで「安全、ノックアウト」とボケを見せた後、記者から「安全をノックアウトしちゃうと・・・」と告ぐと、署長はすかさず「犯罪、ノックアウト」とつないで「ガードを固めれ」と、フェイントも入れていた。

 日ごろからテレビでお馴染みの具志堅用高氏の用高節が郷里石垣島でもこの日さく裂。心温かいところが出ていた。


(流杉一行)

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