石垣島やきもの祭り 盛況

 第14回石垣島やきもの祭りが12月9日、10日の二日間、石垣市役所新庁舎で開催された。

 10時開催に対し8時から入り口に並ぶ来場者がいて、スタート時は350人が並んで、その盛況ぶりが表れていた。人気のちゃんぷるーBOXもすぐに売り切れて、人気ぶりが出ていた。

 出展する参加業者は14業者(やちむん屋太朗窯、川平焼凛火、工房谷池、島いろ窯、かえる屋、米子焼工房、石垣焼窯元、nayan ceramic works、山口陶工房、こむ工房、小浜焼 海花音工房、山口晋平、atelier TENCHI、西表焼 青烽窯)で、例年より少ないため、出展する店のテーブルも広めで、展示品も数多く、来場者は多彩な展示を前に熱心に好みの品を選んでいた。

 特設コーナーでは「ご飯茶碗だけ特設市」として約30工房がご飯茶碗を展示して販売。工房ごとに様々なご飯茶碗がそろって、来場者の目を奪っていた。

 14回目を迎えて年末定番となっている焼き物の祭典は、かなりの集客力をもつイベントで、そこにきて駐車場の広い市役所を活用。一回のフロアを来場者で一杯にしての2日間の開催は、工芸家にはうれしいものとなっている。

 前回同様に、島の木のものづくり展も同時開催しており、木工品も見て回れるイベントにも拡大。集客力の向上は目に見張るものがある。ただ、往年の老舗といえる焼き物工房が出店していないのは、少し残念ではあったが、木工で宮良木工がこの日のために制作した品を出展していたのには、目がいった。

 個性あふれる作品群が見られるやきもの祭りと島の木のものづくり展。島の味を出す観点に、やはり島の空気や素材を深く考察できる体感が必須。作家自身の生まれた地での経験が自然に現れ、どうしても求められてくる磨かれたものが、やがてある種の境地に近づいてくる。それがまたその2世、3世への受け継がれ、八重山で生まれる作品に共通したものが生まれてくるなら、まさに八重山の地が生むもの。そんな島が生み出すものが、現れることがあれば、すごいことに思える。
 遠い将来へ向けた妄想だが。


 (流杉一行)

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