ドナーファミリーの会代表が臓器移植の講演

 3月18日午後2時から石垣市健康福祉センター一階集団健診ホールで臓器移植の講演会「命の宝石・命の贈り物」が行われた。講師はドナーファミリーの会代表の田中和行さん。

 27歳になる愛娘を交通事故で脳死状態になり、突然の死に戸惑いながら、姉娘がドナーカードをもっていることを知る。医者はカードに愛娘のサインがなければドナーになれないと告げると、さっそく家に行って探したところ発見。加えて父親がそのカードにサインしなければ、これもクリアできないと知り、悩む。長娘と妻がサインをしてほしいと懇願。本人は、カードに記入して時間が経っていなかったことから、娘の思いを大切にすることを決断。同意してサインをする。かくして、病院は娘の心臓、2つの肺、2つの腎臓、肝臓は2つに切って、計7人の人に臓器を提供。父親は、考え方を変え、7つの宝石が7人を救ったととらえることにしたという。手術前後、マスコミが殺到して、ほぼ病院に居続けることになり、混乱が続く中ですべての手術が終わって、愛娘は目を残してすべて臓器提供。最期に着飾った愛娘を前に、病院関係者100人以上が整列して、愛娘に感謝の線香をあげるために現れ、本人は感動。そこで臓器移植で助かった人から感謝の手紙が頻繁に送られてくることを述べ、臓器移植の重要性を説いていた。

 田中さんは、平成15年から平成28年12月まで全国各地105カ所で講演を実施。今回は、八重山ライオンズクラブ結成55周年の記念で石垣島入りして講演を実施した。

 会場には多くのライオンズクラブのメンバーや一般市民が集まり、田中氏の思いのこもった熱い語りを聞きながら、臓器移植の大切さを改めて再確認していた。

(流杉一行)

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