八重山での師走に入るころの定番イベントのひとつ凧づくりが今年も始まった。
12月9日と10日の二日間実施される「やいまの伝統凧づくり教室」が石垣市平得の平得公民館でスタート。
9日に集まった12組が、アヨウ、ハッカク、ピキダーといった八重山伝統凧の製作に挑戦。石垣市教育委員会いきいき学び課が主催するもので、古くから八重山地方に伝えられている伝統凧づくりの技法を習得するだけでなく、凧の歴史を通じて地域文化の発展も継承することを目的として、開催されている。
講師には昭和50年代に設立された八重山凧愛好会からその所属成員が参加して、12組の凧作りに挑戦する参加者を支援。
竹を割き、凧の骨組みとなる竹ひごづくりから始めることから説明して、八重山で継承され、文化としての一角を築いている八重山伝統凧を解説。地域における凧の位置を、凧作りを通して示していた。
50年ぶりにつくるという参加者もあり、昔は今ほど遊べるものがなかった子供時代を思い返しつつ、慎重に凧作りに勤しんでいた。
骨組みの成型の仕方、糊のつけ方など、細かな注意点、失敗しやすい工程など、様々に詳細を告げながら、時に詳しく教授。静かな会場ながらも、熱心に製作に取り組む人の強い思いが周囲に広がっていた。
(流杉一行)