楽しくスポーツ つなGO石垣島

 島を元気に体力プロジェクトをテーマに「つなGO石垣島」(石垣市主催)が12月8日午前10時から石垣市総合体育館および中央運動公園陸上競技場を会場に開催された。

 この日、アテナおよび北京オリンピックで活躍した女子バレーボール元監督の柳本晶一さん、北京オリンピックで4×100メートルリレーで銀メダルの朝原宣治さん、北京オリンピック体操男子団体銀メダルの沖口誠さんの三人が、スポーツ教室を開いて、子どもたちといっしょに汗を流していた。

 朝原さんが行った陸上教室「一流の選手の走り方講座」では、子どもから大人まで150人が参加。

 親子で参加する人もあり、3・4歳の子供も親と加わり、正しい姿勢でリズムを大切に走るためのトレーニングの方法を教わっていた。

 この日集まった子供たちは、オリンピック競技者の朝原さんの前で走り方が教われるとあって、皆うれしそうな表情で朝原氏の指導に聞き入っていた。

 正しい姿勢の作り方を習い、スキップにリズムを覚え、また歩くペースから自然にリズムにのって駆けだすことを、楽しそうに実践していた。朝原氏の、わかりやすい説明と実技の繰り返しで、少しづつステップアップさせるやり方は、子供たちにも伝わりやすく、また参加者にとって体を使った授業は楽しそうで、会場は石垣島の陸上熱が現れた教室となっていた。

 このほか、柳本さんはバレーボール教室を総合体育館メインアリーナで、沖口さんは武道場で、それぞれバレーボール教室、体操教室を実施。参加者はたのし時間を過ごしていた。

 午前11時30分から、健康寿命延伸疾患啓発セミナーが開催され、県立八重山病院の照屋周造医師が「かしこく選び、かしこく生きる」と題して、関節痛が出た場合の対処法を講演していた。

 冒頭、病気について、その数は3500ほどあり、その内の85%が自然に治るものであることを紹介。

 また照屋医師自身が難病に罹患していることを紹介しながら、健康について話を進めていた。ある患者のひとりにリュウマチに罹患して、手も変形し、足も変形している人がいうに「私は、健康なんです。」なぜかと照屋氏が聞くと「私は、朝起きてゆっくり朝ご飯を作り、近くのスーパーに時間をかけて行き、買い物をして夕飯を作り、食べてちょっとテレビを見て寝て、また朝に目が覚める。これが健康というものだと私は思っています」というエピソードを紹介。

 WHOでは、健康とは何か、体の調子に加え、心の調子、社会的な健康と、3つの側面があるとされていると述べ、照屋氏自身の難病に罹患している話を添えつつ、病気で障害があっても、満ち足りたものがあれば、健康であるといえると思いますと自論を述べていた。

 話はリュウマチの話が中心で、リュウマチであるかどうかは、炎症があるかでわかるが、その判別は腫れていれば炎症があることになるほか、動き初めには痛みがあり、動いている最中には痛みがなくなる場合が炎症がある。動いている最中も痛い場合は、炎症はないとされ、ねん挫した時など、ずれての痛みで、炎症ではないとのこと。

 氏はリュウマチの話をする理由を、リュウマチは痛みが強いことと、放置すると変形し、生活の障害に直結することをあげ、膝が曲げられない、手があがらなくなり、箸がもてなくなるなどに見舞われるという。

 現在、治療法が進んでいるので、早期に発見すれば、治療がうまくいく可能性があるとのこと。
 関節リュウマチとは、「慢性多関節炎を起こす自己免疫性の病気で、6週間以上痛みが続き、4か所以上の関節の痛みがあり、炎症があるもの。」と述べ、手の変形の様子をプロジェクターに示していた。

 痛みが出るのは、指、手首、肘、肩、膝が多く、200人にひとりが罹患するといわれ、30代から50代の女性に多く、はっきりした原因はわかっていないとされる。石垣島では150人にぐらいいるのではないかとされる。遺伝、たばこ、腸内細菌との関連などが言われている。リュウマチは診断は難しく、薬に関する説明もこの日行われていた。

 関節が痛み出しても、すぐに医者に来ない人があり、痛みは誰に相談するのがいいかなどを考察。我慢できる痛みには、なかなか医者にかからないのが問題と述べていた。最後に、リュウマチにかからない自分でできることとして、何があるかについて、食事と運動を、かたよらないように適度にすること、禁煙することを勧めていた。

 また、12時10分からは、柳本さん、朝原さん、沖口さんが揃い「オリンピアントークショー」と題してステージで、司会の質問に答える形で鼎談がおこなわれて、スポーツに関心ある子供や父兄に、競技者としての気持ちの持ち方や、スポーツに熱中する子どもと親との良好な接し方など具体的で有意義な話をしていた。

 司会が競技者として大切なことを尋ねると、

 沖口さんは、中学生の頃に重大なケガをしたとき、恩師から受けた助言でポジティブになれた経験談を添えながら、どんなケガや不調にもポジティブな気持ちを持てるようにすることの大切さを述べていた。

 朝原さんは、きびしい練習に耐えられる体をつくることが大事で、成長期には、食事と休養と運動をバランスよくとることが大切さと述べていた。

 司会が、離島から本島への遠征を強いられる県大会の試合で、環境の変化をどう対処すればいいかを柳本さんに尋ねると、
 柳本さんは、試合は、一生懸命やっても勝てるかどうかわからないから、みな頑張るわけで、環境の変化を克服するととらえずに、前向きに「それも経験」ととらえていくことが大切と述べていた。

 司会の、幼少頃の成長期のゴールデンエイジとされる子供たちに向けて、スポーツへのかかわり方に、何かありますかという問いには、

 沖口さんは、「体操を楽しまないと、意欲が出ないので、楽しませることが大事」と述べ、朝原さんは、「よく聞かれますが、どういう時期にどういうことをしていればトップアスリートになれるというのは、わからないです。」ときっぱり。

 加えて朝原さんは、「スポーツを楽しむとは、友人の為末氏がブログで書いていたのですが、『楽しむということは、自分で主体性をもってやること』と、シンプルなことを言っていて、確かにやらさせたり、目標を持たされたりしても(子供は)楽しくないというのはある。」と、子どもが自ら主体性を持って取り組みだすのを見逃さず、それまで見守ることの大切さを述べていた。

 父母会の親の、子供たちへの見守り方についてのアドバイスなども話題になり、様々な話が出て、有意義な時間となっていた。

(流杉一行)

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