コーダー道場石垣 マインクラフトカップ2019全国大会で栄誉

9月23日、東京・品川の日本マイクロソフト本社でマインクラフトカップ2019全国大会最終審査会が行われ、石垣島から出場したCoderDojo ishigaki(コーダー道場石垣)チーム(浦添一(はじめ)チームリーダー他4名)の発表した作品「とある南の島~海の恵みとともに暮らす人々の伝統芸能とスポーツ~」が、ピアボーディング賞・審査委員賞を獲得。26日午後5時半から石垣市登野城の大浜信泉記念館研修室で受賞記者会見がおこなわれた。

会見には、浦添一くん(石垣第二中学校1年)、西里琉弥くん(大浜中学校1年)、崎原康樹くん(大浜中学校1年)、浦添昴くん(平真小学校5年)の4人と、責任者でコーチの浦添尚文氏が出席。(メンバーの一人、喜納正直くんは8月まで平真小学校在学も、那覇市の松島小学校へ転校で欠席。)

この日、責任者の浦添氏がマインクラフトとは何かについてから記者団に説明して、今回の大会の概要や意義などを解説。受賞の経緯から、決め手になったものなどを語っていた。

氏によると、マインクラフトは、マイクロソフト社のゲームで、パソコン上で建造物および施設をつくりこんで楽しむ、バーチャルな空間創造のソフトのこと。

今回、初めてマイクロソフト社が大会テーマを「スポーツ施設のある僕・私の街~ワクワクする『まち』をデザインしよう」に定めて、今年3月に作品の募集を実施。2019年はラグビーワールドカップが日本で開催され、2020年にはオリンピックとパラリンピックが東京で開催されることから、子供たちに自分事としてスポーツ施設のある街を考えてつくってもらおうと企画したもの。

扱うソフトは、教育用の市販されていない特殊な教育版マインクラフトで、それが3000ソフトリリースされたという。コマンドを打ち込んだりもする高度なゲームソフトで、エージェントと呼ばれる自動制作するソフトも活用して作る込むため、プログラミングに精通している必要がある難易度の高いもの。

全国から2880名、250チームがエントリー。内133チームが第一次審査へ応募する中、8チームが第一次審査をクリア。

この第一次審査は、審査員6名とともに、参加チームが他のチームを投票するという相互評価(ピアボーディング)の手法がとられ、石垣チームはピアボーディングで最高得点を獲得。

9月23日の審査会では、浦添一くん、浦添昴くん、喜納正直くんの3人が会場でプレゼンを実施。動画クリエーターでユーチューバーのKAZU氏からKAZU賞を頂き、ピアボーディング賞・KAZU賞の2つの賞の受賞となった。

責任者の浦添氏は、「正直にいうと作品をつくりはじめたのは8月8日で締め切り18日までの10日間で急ピッチに仕上げました。それまでは、メンバーそれぞれで好きなものを作っていたのですが、昴がボートレース場をつくってから、石垣島でもあるし海に近い街をつくろうと話が決まって、その日が8日で、一気にエージェント(プログラム制作自動化ソフト)を活用しながら大急ぎでつくりました。」

チームリーダーの浦添一くんは、受賞した直後について「安心しました。時間ギリギリまで頑張って、応募してよかった」とゆっくり振り返った。

また浦添くんは「自信はあった。海を活かそうと考えたのは、海は石垣島ならではの自然で、(石垣ほどの海は)ほかのところにはないものだから」と静かに話した。

責任者の浦添尚文氏は、「ユーチューバーのKAZUさんと受賞式に出た3人とが、交流会の時、コラボが実現して、10月には公表されるようです」とのこと。

コーダー道場石垣チームは9月28日には沖縄市のプログラミングデカ道場で今回の受賞作品の紹介をする予定で、12月には名古屋でマインクラフトの全国イベントに参加予定。ハンガリーで行われる国際大会への準備もはじまるという。

日本では、2020年から小学校においてプログラミング教育が必修化される。ゲームとはいえ、今の時代、小中学生の頃から、プログラミングで世界に羽ばたけるまで、バーチャル世界の受け皿は拡大している。まさに、そんな時代の趨勢にあって、石垣島からの受賞のリーダーが自然を生かそうと、「海」を重視した点は実に見逃せない。

なお、コーダー道場は、7歳から17歳対象のプログラミング道場。2011年にアイルランドで始まり、世界では110か国、2000の道場、日本には176以上の道場がある。沖縄には10の道場がある。各地のボランティアによって、自主的に運営されている模様。

(流杉一行)

「とある南の島~海の恵みとともに暮らす人々の伝統芸能とスポーツ~」の第一次審査用動画

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