今季さとうきび原料生産は7万7992トンを計画 前期の長雨が影響

 12月12日午後3時から石垣島製糖株式会社の製糖開始式が行われ、松林豊代表取締役が挨拶に立ち、前期の長期製糖期間の影響から、整備にかかる期間が平年に比べて1ヵ月の短縮となったことを報告していた。

 2019年、2020年期製糖計画は工務部長から報告があり、12月11日から搬入が始まっていることを告げ、終了予定を3月18日に予定していることが発表された。

 報告は、収穫面積1300ヘクタールで、一日900トンの処理を予定しており、今期は7万7992トンの原料を処理する計画で、昨年は製糖期間の雨が多く、原料切れの期間が1121時間と、精糖終了日が5月下旬にずれ込んだことに触れていた。

 昨今、新たな防虫剤によって、株出しでのさとうきび畑が増えており、全体の耕地面積が伸びてきたのだが、今回、刈り取りが遅れれば、株出しのタイミングが遅れていくのは必定。

 10アール当たりの収量が少なく見込まれる理由もそこにあり、計画する原料生産量は昨年の9万トンに比べて13.4%低い7万7992トンを予想。

 計画では取引甘蔗糖度が前期より0.07度高く設定されているのは、過去7年の最高と最低を除く5ヵ年の平均値であって、今期の圧搾サンプルからのものではない模様で、雨に祟られる影響の深刻さが、今季まで出た格好。

 開始式の後は、安全操業を祈願してサトウキビの搬入ヤードでの松林社長による神酒でのお清めと、JAおきなわ八重山地区振興センター石垣信治所長や石垣市長代理の松川英樹課長補佐、県八重山農林水産振興センターの仲宗根智所長、石垣島製糖松林社長らでさとうきびの投入式が行われた。

 この日、投入式が快晴で迎えられたことから、幸先のよさを感じる出席者も多く、搬入されるさとうきびを見ながら、順調な天候を願いながら轟音響くヤードを後にしていた。

(流杉一行)

この記事をシェアする