132人がビーチクリーン 海LOVE 平野海岸

 3月8日、石垣島最北端の平野海岸に続々集まった132人が、午前10時からビーチクリーンを実施。最北の集落の平野でのビーチクリーンはこれまで何度も実施されているが、北風に乗って波に打ち上げられる海洋ゴミの量は、いつも破格に多く、人の少ないこともあって、惨憺たる海岸になっている。

 この日、人の気も少ない平野海岸を目指して集まった大勢の市民は、車を平野公民館の広場に止めるなどして、そこから徒歩で海岸まで歩くなど、手間なこともものともせず、大人117人、子ども15人が集まって、海岸清掃に精を出した。

 海岸に集まった132人は、まずゴミを集めてから、次に分類し、それを集めて記念撮影をして、搬出場所に運ぶという工程の説明を受けた後、中川久美子海ラブ実行委員長が「みなさん、がんばって海をきれいにしましょう」という掛け声の後、それぞれ大型のゴミ入れを手に、海岸に散っていった。

 中川さんが「今日、ここに来て、涙が出ました。」というほど、一面、ゴミに覆われて、酷さは深刻な状態。

 しかし、この集まった100を越す市民が、海岸の端まで砂地を歩いて、砂地と植物が茂る場所の間に溜まった膨大なゴミから拾い上げていた。

 砂地のゴミは目立っている分、すぐに拾われて問題はないが、植物相と砂地の間に隠れたゴミの量はまた格別。とにかく拾いにくく、植物が繁茂する中に入っての作業は骨の折れる作業。

 それでも、海を大切にしたいと、海岸の清掃に励む人々の熱い思いが、目の届かない場所まで、どんどん入って、ゴミを片付けていた。

 中川さんは「集められるごみを見ながら、よく見ればペットボトルや発泡剤、漁具といった、生産する業者がいるもの、仕事で使うため事業者がつかうものなど、企業が考えられ、減らせるものが大半。」と、捨てる人も問題だが、捨てられるものにかかわっている方にも目を向けるべきと、その悲劇的な惨状をつくっている元凶もにも目を向けることの大切さを述べていた。

 中川さん自身「自分でも、毎日、ゴミの日にゴミを出しながら、ゴミ自身を発生させている自分にがっかりする」と、自制を込めた気持ちも述べていた。

 参加者は大型のゴミ容器を手に、ゴミが散乱する場所と集積場所を行き来して、ブルーシートに集められたゴミ山がいくつもできていった。

 午前11時には、海岸の一角にそのエリアが目立つ頃には、砂地のゴミは大型ごみを除いてほとんどが見えなくなり、次に植物相の中に入っての作業が続けられて、徹底した取り組みが続けられていた。

 昼になると、いよいよ分別作業。注意事項をスタッフから聞いた参加者は、ゴミ袋に次々プラスチック、ペットボトル、漁具と、思い思いにゴミを分別作業に参加。

 分別の袋の山ができると、集計の為に移動をバケツリレーで実施。見る見るうちに、ゴミは数えられて、山と積まれ、最後に記念撮影をして、市役所が搬出可能へゴミを移動。なんども海と道までを行き来して、終了となっていた。

(流杉一行)



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