ホンマグロ漁始まる 第一号は132キロ

 4月5日午前11時、石垣市新栄町の新栄漁港岸壁に132キロのホンマグロ(クロマグロ)が初水揚げされた。

 この日、初水揚げされると聞いて多くの漁業関係者や関心あるギャラリーが岸壁に集まり、海のダイヤと称される巨漢のホンマグロを記念撮影するなどして、盛り上がっていた。
 西海区の職員らが調査データを取ったあとは、梱包され豊洲に送られていった。
 水揚げしたのは、あずさ丸船長の金城真琴さん(45)。

 集魚灯による漁の最中にかかったもので、ホンマグロねらいの船が多数あるなかで、集魚灯の船がホンマグロを最初にあげたことを、ちょっと気にかけ、遠慮がちに話す。漁獲量が決められている分、制限ぎりぎりに近づけば、元来、ホンマグロねらいでない船は身が狭くなると思った模様。

 なお、現在ホンマグロ漁は、漁獲制限に揺れている。昨年7月から日本国内でホンマグロの漁獲制限がスタートしており、八重山のホンマグロ漁では4月から6月で終わるため、昨年はまだその制限対象にはならなかった。

 今季の八重山のホンマグロ漁からは、漁獲制限がかかり、沖縄県内全体で120トンまでと決められ、これを越えた場合、海に返さなければならない。全県の漁家は、実質、ホンマグロを漁獲制限量になる前にどれだけ獲れるかが、焦点となる。

 「これでは4月中に漁獲枠に達して、ホンマグロ漁は終わってしまう」と危惧する漁家も多く、「30キロ未満のホンマグロを獲らなければ、ホンマグロの数は減らないという研究者もいる。巻き網や流し網など30キロ未満ホンマグロの約3000トンの枠に対し、大型のマグロを扱う120トンの制限は沖縄県の零細を潰し、大企業を優先する行為。官僚の天下り先への配慮に見える」と憤慨する人もいる。

 八重山のマグロ漁にとって、ホンマグロは大事な魚種。それが生産量が減りだしたことから実施する国際的な取り決めで、漁獲制限がはじまったのだが、その方法がどうも利権あるところが有利に展開して見える。こんな理不尽に見える事態は、しっかりした説明や対策の実施で、対応すべきでは・・・。
 

 (流杉一行)

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