第3回進学への道開催

 大学受験に合格した塾生が広く大学受験を目指す後輩へ向け、助言したいと開催をはじめたイベント「進学の道」は、今回で3回目。

3月16日午後2時から大川公民館で開催され、主催者の錬成教室「やいま塾」の斎藤周子代表は、「3年前の大学進学生が後輩へ伝えたいとはじめたイベントで、今回も今年入学できた大学生が中心になってこのイベントを開催しています」と、受験に悩みを持つ高校生へ一助になればと、開催されていることを述べていた。

 「やいま塾への入学者を募集するためのイベントではありません」という齊藤さん。

 この日のイベントも、八重山の高校を卒業したばかりの大学合格者7人が参加。

それぞれ自身が思い描いた受験と、実際の受験の違いを思い返して、悔いのない受験をするにはどうすればいいかについて、それぞれの考えを述べていた。

 受験の方法が、国立大学、私立大学の違いに加え、AO入試、推薦入試などもあり、一般入試も国立大学のセンター試験と、私立大学ごとの個別な出願による入試やセンター試験の成績からのものがある私立大学もあるなど、複雑多岐。

 この選択肢の多い中での、混乱しがちな受験に、どう対処したかを、自分の事例を紹介することで、後輩には、よりスムーズに受験対応をしてもらおうと、7人は経験を発表。

 冒頭には、国公立大学、私立大学それぞれの一般入試の流れと、私立大学のセンター試験利用入試のケースを説明。そのあと、AO入試、公募制推薦や指定校推薦入試の流れを解説。

入試の全体を説明した後、それぞれの体験談を発表していた。

 目立ったのは、志望する大学をしっかり決めることができたことが、よかったとする意見が多く、子どもたちが将来を決めることの難しさを実感していて、後輩に向け、そこを明確にする意義を伝えたがっていることが見て取れた。

 将来、どういう夢を描いているか。その夢が描ける段階に入ることの難しさも、進学の意志と強くかかわるものとなり、大学受験には大事なファクター。

 このほか、AO試験でアンケートをつくることや、インタービューを自身でアポを取り、実際にやって、レポートをつくるなど、試験内容についても話して、対処の仕方を早いうちから取り組む必要があることを、実感。会場でそのことを吐露していた。

 各人の夢を語りつつ、それへ向けた進学先として、受験する大学がある形にできたことが、よかったと語る発表者は、頑張り続けられた気持ちが何によって支えられたかを、わかりやすく示していた。

 第一部での先輩からの合格発表体験談のあとは、第2部の芸能披露となり、郷土芸能部OBによる座開きからはじまって、郷土芸能が体験談発表のメンバーにより披露されたほか、ダンスやキーボードとギターによる演奏や歌が披露され、最後はカラーガード部によるカラーガードステージも披露されていた。

 「先輩が語る夢への第一歩」と題するテーマを副題に、今年も受験勉強に取り組んで、見事勝ち得た若い18歳による、後輩への助言イベントが開催され、意義ある体験談が話されて、会場は20名近い親御さんの参加で、大いに盛り上がり,こどもたちの芸能の腕もまた、優れて、楽しい一日となった模様。

ただ、高校1・2年生の姿が見られなかったのは残念で、学校教師から教育関係者など、八重山の教育関係者が、子どもたちの側から見た格闘の様子を知る貴重な発表の場でもあり、利用しない手はないのではないか。

 見方を変えると、成績に合わせて、配分するだけの進学指導ほど、簡単なものはない。こうして将来を考える子供たちに接し、格闘に触れ、そこを見据えない限り、有意義な受験は成立し得ないように感じる。

高校生の数だけ増える、進学就職に悩む思春期の子を持つ親の数。子どもたちのチャンスが大きいこの時期こそ、夢への第一歩の意味を大人が再確認すべきかも。
 
なお、今年の八重山からの国公立大学の県外は6人。その中の国立大学の山口大学と佐賀大学から合格通知を得た2人が今回、体験を発表している。私立大学にしても、県外へは八重高64に商工高校も5、農林高校12と合格者はいる。この島の外へ旅立つ前に見せてくれる、彼らのイベントに、学ぶものは大きいのでは。

(流杉一行)、

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