晴天に恵まれた十六日祭

今季最低気温が続いた日々が嘘のような青空がのぞく2月12日、八重山各地の墓地には多くの家族ずれが集い、盛況裡に祖先との宴を持って、正月を祝った。
正午近くに石垣市街地から桟橋通りを北へ行った先にある上原の墓地では、多くの車が沿道に止まって、墓地での賑わいそのままを現している。
木田家の当主、木田龍雄(67)さんの墓では、総勢40名に迫る大所帯で祖先との会食を持っていた。皆、笑顔で写真に向かって乾杯をしてくれた。


山川朝源さん(80)さんが当主のお墓には、日差しの強さを避けるブルーシートが張られて、そばにはカンヒザクラがまさに連日の寒さから一転、晴天に切り替わってスイッチが入ったか、開花。親族が集まって祖先とともに鍋をつつく温かい宴席がまさに桜色の華やぎに感じられた。


祖先とともに親族縁者が揃い卓を囲む。風習とはいえ、島には普通にある幸せの姿が、八重山の空の下で広がった一日だった。輝いて見えるのは晴天のせいばかりではない。

(流杉一行)

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