桃林寺花まつり

 4月8日はお釈迦様が生まれた日とされ、各地の仏寺では花まつりが催される。

 この日、午後2時から石垣島大川にある臨済宗妙心寺派南海山桃林寺で花まつりが開催され、御詠歌(ごえいか)が鈴を持った女性らに歌われた後、花園会なる檀家などの列席者が並んで小さな仏の像に甘酒をかけて、手を合わせていた。

 このあと、花園会員長寿者寿詞・記念品贈呈と40周年記念の感謝状が26名に贈呈された。そもそも、キリスト教のイエスが生まれた日がクリスマスなら、仏陀が生まれた日の祝いはこの花まつりだ。仏の誕生日が、何分、商戦には関与しないお祝いの日であれば、何かと忘れられやすい。仏教徒が多い日本において、御利益求めて賽銭を投げるだけの仏教に近いが、その関心の薄さを、逆に幸せの証拠ともとれば、そう悪くはないかも。

 1614年の創建から403年が経つ桃林寺は、歴史ある名刹。日本最南端で、戦災にも合わず、正門の仁王像は、見る価値高い、見事な表情だ。亜熱帯に位置する文化的にも美術的にも定評のある寺の、教祖の誕生日を祝う行事は、清々しい光景を見せていた。

(流杉一行)

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