12月13日午後1時半から石垣市民会館中ホールで令和5年度八重山観光感謝のつどいが開催された。
八重山感謝の集いというと、観光地から関係者が島外へ出向いて、協力してくれる観光業者との絆を深めるのがねらいのイベント。昨年からエージェントに八重山へ足を運んでもらい、実際に八重山の地を見てもらいながら、今後の観光ツアーをアピールしつつ絆を深める形に進化している。内容も「現地開催八重山観光セミナー&大商談会」と、有意義な時間をねらうものとなっている。
昨年は好評だったとはいえ、まだコロナ明け直後でもあり、参加者にはいくらか制限があったことから、今年は期待して取り組むも開催日の10月4日は残念ながら台風14号の襲来で延期となり、今回12月13日にようやく実現した格好。
主催するは一般社団法人八重山ビジターズビューローの我那覇宗広専務理事は、10月では100人が来訪予定だったが、この12月再開で人数は若干減っているものの、新たに参加を決めた会社もあり、関心をもつ人が来ていることが実感できると述べ、開催の効果をアピールしていた。
この日、会場の中ホール内では地元からのホテル、船会社、旅行ツアー会社、ダイビング店、物産会社、飲食店、工芸関係、タクシー会社、観光スポットなど28社が参加して、商談スペースにテーブルを配置。全国各地(東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄本島)から来場した旅行社26社の78名と、互いに自己紹介と社や店のアピールをしながら来訪したエージェントの問いかけに応えていた。
中ホール外のロビー側では石垣市観光交流協会、竹富町観光協会、竹富島地域自然資産財団、与那国観光協会、与那国町役場、沖縄コンベンションビューローがテーブルを用意して、参加したエージェントと問い合わせに答えるコーナーを用意。八重山全体像や沖縄全体の観光状況を説明していた。
また、大商談会の最中に、午後3時から展示ホールで八重山観光セミナーが開催され、石垣市観光文化課、竹富町自然観光課、与那国町企画財政課、沖縄観光コンベンションビューロー、八重山ビジダーズビューローが、スライドをつかってそれぞれ観光の現状を説明。
石垣市企画部観光文化課課長補佐の小池淳一氏が講話を実施、「現況課題への対策とツーリズムへの期待」と題し、石垣市における観光に関する課題を紹介しながら、それへの対策に取り組みを具体的に説明。オーバーツーリズムから、不足がちの交通対策への試みや、実態を把握して、シーズン混雑予想から連携の共有を図ることや、住民生活の日常環境が脅かされることなく、観光客の満足度も損なわず共存できることが望ましいと、事業所が地域で観光恩恵を負荷対策や持続可能な観光地づくりに循環する取り組みが望まれると述べていた。
竹富町からは「竹富町の環境保全と観光管理について」と題して、竹富町自然観光課の津嘉山希さんが登壇して、八重山観光の1975年から現在までの経過を細かに説明。地域ごとの人口で観光客数を割り、人口ひとり当たり竹富町は266・7人と県内でもっとも多く、島ごとでは竹富島が149.2人と、その島の負担を和らげるべく、入域料の徴収を実施している内容を説明。また世界自然遺産に指定された西表島での取り組みを説明。遺産地域における観光管理として自然体験フィールドの利用箇所制限など様々な制限を実施。、また遺産地域外では西表島への入込客数を抑制するなど、実際に進める方策実態を報告して、責任ある観光を、推進していることを述べていた。
与那国町場の杉田さんが「今後の業務展開」と題して、与那国の観光メニューを紹介したあと、与那国観光協会の入米蔵さんが与那国島の日帰り観光工程表を発表して、ツアーのモデルを発表。
午前10時に石垣空港から出発して、観光スポットを9か所巡り、午後7時20分に石垣空港に戻るツアーを、観光ポイントの内容を写真で見せながら、提案していた。
沖縄観光コンベンションビューローからは、リピーター層の調査データを公表して、そこから見えてくるものを紹介。沖縄観光と八重山観光の動向を解説し、リピータを増やす方策をデータを活用しながら、観光メニューの発案材料に資することを提案していた。
八重山ビジターズビューローは、この日の全発表を復習しつつ、受け入れ整備に関する取り組みを紹介していた。
(流杉一行)