「例年のことなので、それほど意識はしていませんが、人を確保して頑張って対応します。出して頂けるなら、是非、早めにお願いします」
と、日本郵便株式会社八重山郵便局郵便部課長代理の伊良波成良さんは、落ち着いた口調できっぱり言った。
例年、年賀状の配達をこなす郵便局にとって、年末のお歳暮などの小包のゆうパックの繁忙は定番の年中行事。突然の大量入出荷現象はそれほど問題にしていない模様。
今年秋(10月11月)で、宅配の大手「クロネコヤマト宅配便」「佐川宅急便」がこぞって値上げを決行。一方の郵便局の「ゆうパック」は3月まで値上げの据え置きを決定。
値段だけ見れば、年末年始の個人の荷物は、郵便局の一人勝ち。
離島の離島である八重山してみれば、少しでも安い運賃で運びたいとすれば、自ずと郵便局で送ることになる。
実際12月現在、配達する郵便局員がもっとも実感しているのがその配達の量。
日に日に増えてきているという。尋ねた配達員全員が真顔で答える表情に余裕はない。
全国規模で、この現象が起こっているとすれば、この離島の離島への配達は、その運賃負担を考えると、来る荷の量が半端なものではなくなる可能性がある。
しかも、石垣島は観光入客数が破格に伸びて観光バブルだ。昨年は125万人で、なお入客数が増えており、お土産も先に運送をしてしまう人が増えている。来る方も出す方も運賃は安い方がよいに決まっている。
個人では殺到が見えても、法人関係はある種、取引値段は相対取引。そこは一般には見えてこないところ。ただ、法人を増やし、個人を減らす算段をすれば、彼らのさじ加減は予測できる。
蔵元の敷地に創設されたのは1882年。日本最南端の基幹郵便局で135年の歴史を刻む八重山郵便局が、最大の繁忙期を迎えることになるのは、火を見るより明らか。
年末に夜を徹しての荷の配達区域分けと、ノンストップで配達が続くことになるのは例年のことだとすれば、今年は、溢れた荷物に埋もれてしまうことに、ならないか。
宅配シエア17%とされる郵便局が、今回の一人勝ちでどこまで伸ばせるかを、楽しみにする人と、日々、青白い顔で突破を図る人がある。頑張れ! 島の八重山郵便局。
(流杉一行)