7月16日午前10時頃、ユーグレナ石垣港離島ターミナルで石垣海上保安部による海難防止広報活動がおこなわれた。
ビラを配布して、海難への注意を促すとともに、多くの人にライフジャケット着用して、海のレジャーを楽しんでほしいと、同ターミナルに設置されている具志堅用高像にライフジャケットを付ける装着式がおこなわれた。
装着をした石垣海上保安部の中田光昭部長は、「マリンレジャーに関しては、今年はシュノーケルの事故が多い。 すでに今年は4名の尊い命が失われている。昨年一年間の数に並んでおり、石垣市海上保安協会の人々や地域の皆様と連携を深めて、海難ゼロを目指して取り組んでいきたい」と述べ、
「海に出るときはライフジャケットを必ずつけるようにしていただきたい」「船に乗船する時は、どこにライフジャケットがあるかを確認する。あるいは、小型船に乗る際は必ずライフジャケットを着用すること、釣りをする場合、シュノーケルをする場合、自分の命を守るライフジャケットを着用することを徹底してほしい」と述べていた。
石垣島の海のレジャーで、手軽に海の魅力に浸れるのが、シュノーケルをつかった水中散歩。もっともポピュラーで、一度体験すると、何度も試みたくなるマリンレジャーだ。
ただ、問題はシュノーケルの事故が多い事。足がつく浅い場所でも、溺死する人がたくさん出ているのだ。なぜ、そうなるのかは、20年以上前でも、謎とされていた。そして、この謎は今も続いている。
なぜ、足も付く浅い場所で、しかもすぐそばに砂浜があり、そばで人がいるにもかかわらず、溺死してしまうのか。事故の原因が、はっきりしない。ただ、シュノーケルに水が入り、一瞬で溺死したとしか、考えられない。
魚を見ることに夢中になりすぎた事故としか、考えられないのだが、それにしても、あまりに多く、しかも痛ましい。
ライフジャケットが着用していれば、浮いていられるので、シュノーケルのトラブルも落ち着いて対処できそうにもみえる。ただ、事故がなくならないのは、なぜなのか。
シュノーケルに安全装置がついたという話も聞かない。このシュノーケル問題は、魅力ある海の存在自体が、不幸を呼ぶものになってしまう。抜本的な対策を、是非本気で追求してほしいところだ。
これから海のレジャーは、8月の観光のピークへ向けて盛んになる。コロナ禍はまだ続いている。久々に観光シーズンが正常に到来するかに、経済優先の空気が走る中、シュノーケルの問題は、何度も、強く、しつこく、広報することが大事といえる。
シュノーケル事故の実態を、多くの観光客に伝えることが、この時期から続ける必要があるように思う。コロナ禍と経済の先行き不安の中で、事故に遭うことがまねく、周囲に与える影響の大きさを、真剣に考えたい。
(流杉一行)