密猟・盗掘防止普及啓発活動を石垣島で初の実施

 7月16日午前8時15分から環境省西表自然保護官事務所による密猟・盗掘防止普及啓発活動が石垣港でおこなわれた。
 この時期、昆虫等の採取者が増えることに合わせて、関係機関と連携して実施しているもので、これまでは西表島の大原港、上原港で実施していたもの。

 今回は、初めて石垣島での実施して、広く普及を図ることとなった。

 夏期の密猟盗掘防止普及啓発運動として8月11日にも予定されている。

 西表島では亜熱帯性気候のため、特有の野生動植物が分布している。希少種も多く、関心持つ人や販売目的などで来島する人の動植物の島外への持ち出しが課題となっている。

 規制区域の周知や希少種の密猟・盗掘などの防止を目的に行われる普及啓発活動で、林野庁西表森林生態系保全センター大原森林事務所および祖納森林事務所、竹富町自然観光課、環境省石垣自然保護官事務所などが、西表島に訪れた観光客に向け、ひとりひとり「希少種の持ち出しに注意しよう」と書かれたビラを配布して、啓発活動を実施していた。

 国の指定の天然記念物オカヤドカリ、ヤエヤマセマルハコガメ。国内希少野生動植物種のコガタハナサキガエル、ヒメハブカズラ。沖縄県指定の天然記念物アサヒナキマダラセセリ、ヨナグニサン。竹富町自然環境保護条例で保護されるヤエヤマヤマガニ、ヒメツルアダン。国立公園指定動植物ウミガメ類やナリヤランなどの写真が載ったビラで、無断捕獲すれば法令違反で罰せられることが示されている。

 西表石垣国立公園の特別保護区、特別地域、普通地域が地図上に示され、国立公園の区域や地種区分や国立公園の指定動植物が分かるように、QRコードが掲載され、スマホで確認が可能。

 西表森林生態系保護地域の保存地区と保全利用地区も、地図上で示されて、QRコードで森林生態系保護地域の区域が分かるようになっている。

 また西表島全域で捕獲が規制されている種についても、種の保存法、天然記念物、竹富町自然環境保護条例と、それぞれで規制されている種が、QRコードを読み取ることで、確認できるもの。疑問や分からないことがあれば、環境省西表自然保護官事務所や林野庁大原森林事務所・祖納森林事務所、竹富町自然観光課、竹富町教育委員会の電話番号が記され、問い合わせることが可能となっている。

 西表島での規制の状態がよくわかる詳しいビラとなっているほか、QRコードの活用で詳細なデータが広報できるものとなっている。

 関心を持った場合に、検索して探す手間が省けることを考えると、利便性が高く、広報ビラとしての可能な閲覧情報量の多さは、ちょっと驚かされるものがある。

 時代は、確かに動いていると、感じてしまった記者だった。

 (流杉一行)

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