白保をはじめ豊年祭が各地で展開する八重山

 今、八重山では石垣島の川平、崎枝、平久保、西表島の祖内・干立で豊年祭が済み、このほか各地で豊年祭の準備に追われている。7月27日午後5時から石垣島白保の飾り場御嶽で、今年の五穀豊穣を感謝し来夏世の豊作を祈願する豊年祭「ムラプール」が盛大に開催された。白保の4つの御嶽の神司らが結集して出迎える中、ミルクガナシとその縁者一行がミルク節にのって入場した。大観衆見守る中、あこがれの対象でもあるミルクガナシの登場を迎えて、会場は大いに盛り上がった。村で3代ともに同居する大家族の家からミルクガナシ役を選抜することで知られ、後ろに引き連れる人々は、ミルクガナシと近い実際の縁者で、白保の人々からは憧れる存在を具現しており、会場の盛り上がりにも、毎年の事ながらもっとも拍車がかかっていた。

 このあと、老人会による白保節が披露され、小学校の鼓笛隊が奉納したあと、白保の名物でもある「稲の一生」が第一実行委員会から第五実行委員会までの芸達者らによる楽しい舞台が披露された。会場は、友人知人を探す人や白保の定番の役者に声援を送る人、久しぶりの再会に友人と喜び合う人など、混み合うことを苦にしない人で大いに盛り上がっていた。松明の炎だけで周囲を照らす幻想的な雰囲気の中、五穀の授け式やガーリー、大綱引きでも、多くの人が喜びを満面に浮かべて、祭りを楽しんでいた。

(流杉一行)

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