松村順一氏 奨励賞 南山舎文化大賞は該当者なし

 3月27日午後2時半から石垣市健康福祉センター1階研修室で第10回南山舎大賞の会見発表がおこなわれ、今回は対象受賞者なしが伝えられた。

 なお、元市職員で市史編集室課長や市立図書館長など経て7年前に退職し、今は石垣市史編集員の松村順一氏が南山舎奨励賞を受賞。

 南山舎文化大賞は大賞と優秀賞が用意されていたが、このほど奨励賞が新たに加わり、受賞の幅が広がっている。

 会見では、上江洲儀正南山舎会長の司会ではじまり、南山舎文化大賞選考委員会の波照間栄吉委員長から、2月23日に大浜信泉記念館で選考委員会が実施されたこと。選考は波照間栄吉委員長、ほか砂川委員、大田静男委員、島村賢正委員、上江洲儀正委員の4名で実施されたことが発表された。

 応募総数は1点で、南山舎文化大賞受賞者はなく、奨励賞に松村順一氏が選ばれたことが発表された。
 奨励賞受賞作品は、「『スク』『グスク』語源考」(400字詰原稿用紙約80枚)。
 受賞式は今年4月に予定。

 松村氏は、この論文は「スク地名の語意の解明」を意図しているとし、「石垣市史研究資料 いしがき地名」として刊行した中に、諸説あることで「未詳」とした「スク地名」に関し長年気になっていたため、退職を機に語源を調べ、今回の論考をまとめたとのこと。

 波照間栄吉委員長は、「スクの語源」は諸説あるために、ひとつひとつ異論を検証することが必要で、反証の検証がされていない弱さがこの論にはあり、大賞の受賞とはならなかったことが明かされていた。

 しかし、松村氏が生活の日常から自分なりに考えていることをまとめるのは、南山舎文化大賞の主旨に沿っており、同選考委員会は松村氏の作品は同賞の存在意義そのものともいえ、今回新たに奨励賞を設置して松村氏にその受賞を決めたと委員長は述べていた。

 また「さらに研究を続けてほしい」と、研究継続を奨励する意味もあるとのこと。

 なお、4月には受賞式が行われるが、コロナ禍から内々に実施する予定とのこと。

 松村順一氏といえば、NHKの1月18日放映ブラタモリで案内役で登場して、島では大いに話題となった人。「踊るようにしゃべりますね」とタモリに言われて、「昔、踊りをやっていた」と告白していた。
 所作が踊りっぽいところからタモリが発見。全国放送で発信された松村さん。もはや石垣島の松村さんです。 

(流杉一行)

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