石垣市から陽性5名 クラスター発生で県店名公表

 3月17日午後3時から県合同庁舎2階の大会堂で、八重山地区新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催された。

 非公開の会議の後、宜野座葵事務長と八重山保健所所の比嘉担当によるぶらさがりの会見が行われ、比嘉担当は、この日、八重山管内で4人の陽性患者の発生を告げた。全員が20代。

 これに別管内からの石垣市民の陽性が確認され、合計5人。

 八重山保健所管内で見つかった4人の内、2名が石垣市の実施する成人式のため必須のPCR検査を受けたところ陽性が判明。1人は建設業の男性。1人は会社員の女性。

 男性の方は確定患者の濃厚接触者でもあり、八重山保健所が連絡をとるもつながらない状態だった。今回、成人式が近いことで本人がPCR検査を受けたところ陽性が発覚。

 また、ほかの2名は、石垣市滞在中の飲食業の男女。

 この日、クラスター発生が県から発表。去る3月15日の石垣での20代女性の陽性判明者と、前出の成人式のPCRで陽性がわかった男性(15日の陽性の女性の濃厚接触者)と飲食店の男女および、八重山管外で確認された石垣市の陽性者1人(沖縄県が発表)の計5人が、ひとつの店舗から発するクラスターのため、沖縄県は店名を公表。

 3月9日から13日の間に石垣市のガールズバーICOTE(アイコートと呼ぶ)を利用した人へ、八重山保健所および新型コロナ外来への相談などを県は強く要望。新型コロナウイルス特有の無症状で他者への感染を広げている可能性があることから、とにかくまずは連絡をとのこと。

 感染リスクがあることがわかれば、PCR検査を薦められる。素早いPCR検査で拡散が阻止できる。感染した直後の2日間がもっとも感染力が高く、症状が出た段階では、すでに多くの濃厚接触者をつくってしまっているか否かも判明する。現段階で未知の感染源の特定が急がれる。

 PCR検査には72時間の有効期限の穴がある。石垣市の成人式が21日に迫り、PCR検査の結果には72時間有効期限があることから、19日に陰性が確認できることで21日の陰性証明となる。

 約300名の新成人PCR予約に50人ほどがすでに受けているとするも、17日のPCRでも、72時間後は20日。21日には届かない。19日から21日に300人がPCR検査に殺到する計算だが、果たして完璧にできるか。

 PCR検査の陰性結果を出した後に、人との会食をきっかけに感染もあり得て来る。PCR検査は早くにやった人には、一度では済まされないということ。

 また、21日の成人式に同期生が集まれば、その後の会食も72時間明けとなれば、リスクは高まる。今、首都圏の緊急事態宣下で、首都圏からの来島がない八重山にして鎮静化一途の事態に、完全に水を差している成人式。新成人のまず最初の大人の対応が求められている。

 中山市長は、この日、午後6時から石垣市役所で会見を実施。
 クラスター発生の現状を伝えるとともに、3月9日から13日の間、ガールズバーICOTEを利用した人に、八重山保健所あるいはコロナ相談外来でのPCR検査を受けてほしいと、述べていた。

 今のところ予定通りの成人式の開催を述べつつ、3密回避と消毒励行およびクラスターとなった店関係に関与した人への協力の呼びかけで、突破したい模様。

 なお、八重山管内での発表の4人の内の、ひとりのクラスターに入っていない会社員女性は、感染源が不明で、島外へ行っておらず、市中感染の可能性も出てくる。

 長く陽性者が出ていなかった中、先週の8日頃から石垣市離島ターミナルには多くの観光客の姿が見られ始めており、すでにこれまでとは違うモードに入っていることは自覚する必要がある。

 そこに来ての成人式であれば、相乗的なリスクがこれからかかってくることになる。成人式で戻った新成人が、故郷で感染してしまうとなれば、就職先あるいは進学先での暮らしに支障が出ることにもなる。20歳のこの高いリスクは、新成人への大きな試練。大事な友へも影響する。

 世界中がこの新型コロナウイルスと対峙している中で、いかなる行動を自らとるか。職場も、学校も、同級生も皆、100%の喜びに浸れる状況ではないことを、自覚できるかにかかっている。20歳は、人生で最も大事な時間だ。

 (流杉一行)

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