竹富島で八重山の海びらき2021 快晴の下 盛況裡

 3月20日、日本最南の八重山海びらきが開かれる会場のコンドイビーチ入り口では、体温チェックが厳重に行われたほか、入場者の氏名と連絡先の記入あるいはQRコードをスマホアプリへ読み込ませるなど、万が一に備えた取り組みで、イベント開始に臨んでいた。

 午前9時15分から6人の竹富島の神司による海びらき祈願が、八重山ビジターズビューロー会長の中山義隆ほか、西大舛高旬同副会長、外間守吉同副会長らとともに、今年一年の海での事故がないよう海にむかって祈りを捧げてからイベントは始まった。

 9時45分、タヒチアンダンスサークルhare maru hare papu(ハレマルハレパプ)の6人のダンサーがオープニングを飾ったあと、開会の挨拶が西大舛副会長から行われた。

 主催者代表挨拶では中山義隆会長が、
 「昨年の八重山の年間入域観光客数は、65万1747人と新型コロナのウイルス感染症の影響により厳しい結果となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい結果となりました。新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束と八重山観光の復活・発展に取り組んで参りたいと思います。」と述べ、この日、八重山の海びらきが開催できたことを喜び、この一年無事故で快適なシーズンであるよう祈念していた。

 このあと、玉城デニー県知事の祝辞文代読と沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長の祝辞が続いた後、竹富小中学校の児童生徒6名による海びらき宣言が、コンドイ浜から全国へ高らかに発信された。

 恒例の海に入る直前のテープカットでは、参列者13名がソーシャルディスタンスを取りながらのテープカットが行われ、いつもとはテンポもゆっくりと海へ入り、初泳ぎと海上収穫祭を子供たちは楽しんでいた。

 プログラムは、石垣島ガールクラッシュユニットKI-HAT(キーハット)のミニライブや花王のビオレUV 日焼け止め贈呈式が行われたほか、ビーチサイドではビーチ宝探しや、サバニ体験、セーリング体験も行われ、海上でも砂浜でも大いに賑わっていた。

 この日はTシャツコンテストの表彰式も行われ、最優秀賞に輝いた砂川知三(ともみ)さんに賞状と副賞が贈られていた。砂川さんは「コロナウイルスの影響で、家族間でさみしい思いを感じて、何か盛り上げられるものをと絵を書いてみた」と述べ、今回、最優秀賞となったと言われて驚いたとも。竹富島が水牛車で御馴染みなところから、水牛がウインドサーフィンを楽しんで、そこにマンタがいる絵となっており、竹富島の海びらきには格好のデザインとなっている。絵を書くのが好きという砂川さんは、来年もチャレンジすると述べ、実に意欲的だ。

 このあと、第24代ミス八重山が発表となり、ミス八重山 南十字星には名嘉亜加音さん、ミス八重山 星砂には杉本優美さん、ミス八重山 サンゴには高嶺彩海さんの3名が発表された。

 3人の衣装は「石垣ブルーの癒し」と題し、青を基調に疫病退散のアマビエをイメージしての有限会社みね屋が企画制作したもの。世界中がコロナ禍に見舞われる中で、希望がかなえられることを願っての「ミス八重山アマビエ」衣装となっている。

 先代は、コロナ禍でイベントの中止が続出。辛いミス八重山の活動だったことを思えば、24代目はコロナ禍を乗り切るための衣装としては、頼もしいアイテムといえ、最適の衣装と言えそう。

 このあとは、迎里計ライブと、竹富町の観光大使の「ありんくりん」のお笑いライブが開催され、参加者は美しいコンドイ浜の風景の中で、楽しいひと時を過ごしていた。

 (流杉一行)
 

 なお、この日の八重山海びらきイベントの後には、星のや竹富島が実施する「まいふなーツアー」のプレツアーが実施された。

 内容は星のや竹富島が宿泊客からビーチクリーンの体験ツアーを販売するというもの。これは去る3月11日に、竹富島地域自然資産財団と星のや竹富島がパートナーシップ協定を結んだことから発している。

 このビーチクリーンは、竹富島地域自然資産財団が発案し、星のや竹富島が「八重山の海びらき2021in竹富島」の開催に合わせて、星のや竹冨島がプレツアーとして実施する。そして3月21日から5月31日まで本格的に宿泊者へこのツアーを販売していくという。

 ビーチクリーンをすることを通じて、島の美しい自然の保全へ貢献することと、そこで集めたプラスチックからオリジナルキーホルダーづくりも行われ、資源リサイクルも体験できるというもの。

 この体験ツアーから、観光客が、島の支援者に変換する感覚がそこに生まれてくる。

 この日、11名の子ども達と大人3人がこのツアーに参加。12時20分にコンドイ浜に集まった参加者は、星のや竹富島総支配人本多薫氏の激励の挨拶を受けたあと、西桟橋へ向けてビーチクリーンを実施。

 そのあと財団ラボにて海洋プラスチックを再利用したキーホルダーづくりを体験。有意義な時間を過ごしていた。

 浜辺をきれいにするだけでなく、身近な生活の中でごみに対する意識を見直すきっかけにするほか、島についての文化や歴史をビーチクリーンをしながら、ガイドから学ぶこともできる。充実の体験ツアーを模索する格好になる。
 



関連の本はこちら▼▼▼

この記事をシェアする