コロナ禍の縮小開催で第36回八重山毎日文化賞贈呈式

 12月5日午前10時30分から南の美ら花ホテルミヤヒラで、八重山毎日新聞文化大賞の贈呈式が行われた。

 この賞は、八重山毎日新聞社が毎年実施するもので、各界から揃えた選考委員会によって、八重山研究や芸術文化の振興に顕著な業績を上げた人を選定し表彰するもの。

 授賞者の発表はすでに八重山毎日新聞紙上で、11月3日に実施しており、この日の贈呈式は新型コロナウィルス対策から、参加者は当人と配偶者に限定しての縮小開催となった。

 式では改めて授賞者の紹介があり、正賞は、八重山民謡を県内外へ発信し続ける大工哲弘氏(72)(那覇市在住、新川出身)と、南山舎を創業し33年に渡り、八重山関連の書籍を編集・発行している上江洲儀正氏(68)。

 特別賞には、八重山伝統舞踊の継承発展に取り組んだ大盛和子氏(90)に、奨励賞には、八重山上布の伝統染織の作家で研究者の崎原克友氏(34)にと、告げられた。

 式は冒頭、八重山毎日新聞社の黒島安隆社長が挨拶に立ち、新型コロナ感染防止から縮小開催となったことを授賞者にお詫びしながら、4名の栄誉を称えていた。

 このあと、選定委員会委員長の波照間永吉氏が選定理由を細かに公表した。

 大工哲弘氏の授賞は、八重山古典音楽(民謡)をはじめ、八重山の伝統的歌謡(民謡)の継承の流布に大きな貢献を果たしてきた。

 また大工氏自身極めて質の高い歌い手として旺盛な芸術活動を展開していることが評価されたものと同委員長は述べた。

 上江洲儀正氏の授賞は、2つの領域があり、出版人としてのものと、ドキュメンタリー作家・研究者としての2つの部分があるとし、時間の都合上、南山舎の仕事に触れたいとして、手帳、やいま文庫、八重山を掘るなどのシリーズものを出して八重山の文化を広く知らしめている点を挙げていた。

 大盛和子氏の授賞は、長年にわたり八重山舞踊への取り組みを高く評価したもの。

 崎原克友氏の授賞は、沖展の最高賞や日本民芸館展での奨励賞などの受賞や、染織作品の質の高さから。
 
 式はメインとなる授与式となり、黒島安隆社長から正賞の二人へ賞状とメダルと記念品が、特別賞と奨励賞の二人には賞状と記念品が贈られていた。

  4人は、受賞の挨拶に立ち、取り組んできたこれまでのことに思いをはせつつ、受賞の喜びの言葉を述べていた。

 大工哲弘氏は、終始シマムニで語り、独特の流ちょうな調子で周囲を和ませ、時折、来場者から笑いも起こる楽しいひと時となっていた。

 上江洲儀正氏(南山舎会長)は、マスコミの情報ネタの宝庫で知られる大宅文庫の辞め、島に戻って八重山手帳の発行を手掛けたいきさつを説明。

 月刊やいまの創刊号の創刊の辞を読み上げて、当時の思いを披露し、今も変わらない志を述べていた。

 特別賞の大盛和子氏は、「踊りが持つ様々な力に支えられ歩むことができました。おかげさまで健康を保つこともできています。踊りの後継者のために初心に戻り、一生現役を貫き八重山の踊りの発展に努めたい」と述べた。

 奨励賞の崎原克友氏は「ものが溢れる時代に、八重山は手仕事が多く残ってる地域だと思います。しかし昔の機を織る音やチョマの風景、生活に使用する民具を使用する風景が見られなくなっていることを寂しく思います。地元の手仕事の風景を守っていきながら、作品を通して八重山を知っていただけるような制作や研究を続けていきたい」と述べていた。

 (流杉一行)

この記事をシェアする