10月18日午後4時から八重山合同庁舎2階大会堂で第44回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催され、この日新たに11人(10人+(プラス)陰性から陽性になった1人)の陽性患者が確認されたことが報告されていた。
16日の報告で15日夜間に9人の検査をして4人の陽性患者が確認されているが、15日夜間に陰性判定された5人の中から陽性患者一人(90代男性)が再検査で確認。
計5人になり、すでに発表されている16日の陽性判明患者5人を加えると、この時点でかりゆし病院の陽性患者は10人と二桁に上ったことになる。
この日、会議の後、記者団への説明が、宜野座葵八重山事務所長と国吉秀樹八重山保健所長から行われ、18日時点でさらに10人の陽性患者が見つかり、その内職員4人の陽性が判明。病院クラスターは計20人となった。
17日に判明したのは6人の入院患者は、40代男性一人、50代男性一人、60代男性一人、70代男性一人、90代女性二人。また18日に判明したのは職員4名で、内訳は20代女性一人、30代男性二人、40代女性一人。4人は、八重山病院を受診した後、宿泊療養施設に入所した。
職員の感染が認められたことから、院内での広範囲な感染が危惧されてくることになる。
すでにかりゆし病院は閉鎖しており、残された入院患者のPCR検査を進める一方、院内での患者の治療や14日間の様子見の滞在の患者も続くことから、入院中の患者を診る医療スタッフの供給に関しては、県も支援していくことが話し合われているとのこと。
16日に記者発表されてから、相談外来へは16日62人、17日75人、18日98人と受付件数は上がっている。すでに熱中症と勘違いする気温ではなく、逆に寒さから風邪をひきやすくなっていく気候が、不安を後押しすることになる。
17日に行政検査が43件、18日は76件と、まだ結果待ちの検査がある。それらは病院関係者に加え、急増中の相談外来の受診者増から来るものが加わる。16日から18日まで相談外来でのPCR検査実施は150件、八重山病院でのPCR実施は66件。
医療関係は多忙を極めて来るのは確かだ。
今回発表の陽性10件は、16日の行政検査33件からのもの。
境田病院長は、16日に記者団に300人の全職員の検査をしたいと明言しているが、それが一挙にできるものではない。17日の行政検査43件中、職員の検査は15件とのこと。
医療関係者から出たことで、新たな局面が出て来ることが危惧されてくる。
一方で、発生源の解明は不明のまま。誰が持ち込んだか、わからない状況が無症状の人による病院関係者との接触か、患者を見舞う人とのものか。これから気温は下がっていく。ウィルスの感染しやすい環境が広がることを考えると、一層の消毒手洗い、マスク着用が必要となろう。
島はGOTO景気の本格的な入り口で、病院クラスターとなってしまった。観光客への複雑な気持ちが景気にも影を差してくる。
なお、発生源の解明力がなければ、危惧されてくることがある。病院・医院でクラスター多発だ。
医療関係はどこよりウィルス侵入を避け、厳重に施設を管理する。そこがやられたのだ。増えれば島中が混迷を深める。人は病院へ行けなくなり、重篤化してからでしか行かなくなる。また薬をもらいに通う人も、受診が怖くなろう。
経済的なダメージに悩まされる人が増えると同時に、健康不安が増大するという、暗く先の見えないトンネル状態は、味わいたくない。
かくして、コロナ患者用の病床数は八重山病院の13は、16まで可能となっている。問題は、今後にかかってくる。
(流杉一行)