コロナ禍も、親の協力で子供芸能祭

 10月17日午後7時から石垣市総合体育館メインアリーナで田場絹枝舞踊道場による子供芸能祭が開催された。「萌ゆる想ひ」田場絹枝舞踊道場お披露目会と題して開催するもの。

 新型コロナウイルス禍の中、どこも公演中止を余儀なくされ、今後の見通しも立たない状況が続いている。同会ではそれでも門下生の子どもたちは熱心に稽古に励んでいることから、家族にその成果を見てもらおうと、コロナウィルス対策を徹底してお披露目会を開催。

 鑑賞を望む入場者は1週間前に同会へ名簿提出を条件とし、提出ない人の入場はできない徹底ぶりで、会場も総合体育館と広い場所を選び、密にならない配慮をしての開催となった。

 また当日は、入場する際は、検温をして測定値を記録。熱のある人の入場はできないため、入場者はひとりひとり検温を受けて、安心して入場していた。

 また、アルコール除菌やマスクの着用も励行したほか、感染拡大防止のために以下に該当する人の来場を遠慮しますとはっきり案内状に記して、開催を実行していた。

 制限する人は、
 発熱・風邪症状のある人(37・5度以上)
 7日以内に発熱や感冒症状で受診服薬のある人
 14日以内に島外・国外への訪問歴がある人
 同居家族や身近な知人に感染疑いのある人がいる人
 
 こう明記することで成立するお披露目会は、紛れなく、親の協力と理解、そして親の側の開催への尽力があって成り立つことがよくわかる。
 

 会は座開きの赤馬節ではじまり、桃里節、胡蝶の舞、上り口説と舞踊が続き、熱心に稽古に励んだ子どもたちの意気込みが伝わる良い舞台となっていた。

 集まった100人を越える出演者の家族らは、演目ごとに温かい拍手を贈り、子どもたちの頑張りを励ましていた。

 一段高い客席には、家族ではない親たちの友人らが、それぞれ密をとらず、遠くからだが、子どもたちの舞台を見守って、拍手で答えていた。

 演目には独唱の舞台も設けられ、令和元年第2回U18島唄コンテストで最優秀賞に輝いた宮根帆音さんと、同じく同コンテストで優秀賞を獲得した世持愛菜さんの二人による舞台も行われたほか、今年開催された第3回U18島唄コンテストで最優秀賞に輝いた小池美寿々さんの舞台も披露された。方言も巧みに見事な歌声で聞く人を魅了していた。
 
 赤また節、鷲の鳥、高那節、うりずんの詩、加那よーと続いた後、最後は全員が安里屋ゆんたを全員で踊り、舞台を締めていた。


 
 子供たちの舞台は、やはり大人を元気づけるには妙薬となり、子ども達にも励みになることは間違いない。
 
 昨今の自粛不安やマスクのストレスも、しっかり感染拡大防止に取り組む気持ちで開催に踏み切り、協力し合って徹底を図れば、解消を図れるものになりえることを、示しているように見えた。

 ウイズコロナの最初のイベントは、親子の輪の中で取り組み、徹底を図る形が、まず最新の形かもしれない。ただ、どう徹底できるか、そこに尽きる。
 
 (流杉一行)

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