実践的で役に立つ エリックの英会話教室 シマノバ

 3月4日午後7時から石垣市民会館大ホール2階のコアスペース「シマノバ」で、エリックの英会話教室が開催された。

 昨年12月から開講するエリックさんによる英会話教室は、今回で5回目。常連さんの参加者を含めて今回は3名が受講した。

 簡単な自己紹介と前回の教室で習った構文を「おさらい」したあと、今回のテーマ「西表島」に沿って、講義は進められた。

 英語で西表島には2つの港があることや、乗船にいくらかかり、時間がどれだけかかるか。また、上原港は欠航になったときには、大原港までバスで移動して帰ることなど、細かな説明のための英語を学習していた。

 参加者がこれまで身に着けた英語を駆使して、最適な表現をエリックさんに指摘してもらうなどの実践的な講義が、互いに和気あいあいの雰囲気で約1時間半行われた。

 エリックさんの本名は、ファンライン・エリック。オランダ人で来日が1998年。石垣島には4年前に来島。島でインバウンド・コンサルティングや通訳・翻訳をする会社「NOHOHO」(ノホホ)を立ち上げ、活動している。

 ノホホは、西表島・干立の節祭に登場するオホホからとっているとのこと。祭りでは、オホホが登場して、コミュニケーションできず、お金をばらまくしかない様子に、言葉を交わすことの大切さを実感。

 オホホを助けたい。そんな気持ちで「N」を付け、ノホホと名乗って会社をスタート。本人は、コミュニケーションの大切さから英会話教室を始めたがニーズが観光に多いせいもあって、観光の際に必要となる英語の学習が中心となっている模様。

 テーマを「石垣」「道を教える」「音楽」「食」と来て、今回は「西表島」と進んできた。

 授業は、具体的で実践的なシチュエーションを念頭に、参加者の習得した英語をつかって、自分の英語を話す形で進んでいた。エリックさんの質問に、自分で工夫して英語で答えるもので、エリックさんは懇切丁寧にサポートしていた。

 西表島の観光スポットやアクティビティーにはどんなものがあるかなど、写真を交えて知っていることを、自分たちの英語力で表現。エリックさんから最適な構文や単語、加えて西表に関する情報や、日本的ではなくしっかりした英語の発音を聞き取っていた。まず英語と西表島観光の両方の学習の場になっていた。

 またお金の支払いで、カードの扱いや、中国の紙幣には偽札が多い注意点なども話題になって、実践・実用的な話がはさまり、有意義な時間にもなっていた。

 エリックさんは、伝わる英語が話せる場を提供したかったと、授業を実施したねらいを説明。細かな文法よりも、伝わることが優先で、文法事態は重視していないと、きっぱりいう。

 エリックさんは、5人ほどの参加者で進めるのが最適といい、将来は人数を多くしても進められるメニューを用意したいとも。
 生徒は募集中で、一回90分1000円とのこと。4月も予定しているが期日はまだ未定。

 石垣島で通訳の仕事をするHさん(40代女性)は、「使える英語が多くてよかった。細かく説明したいときに、困ることがあるので、エリックさんの授業で、丁寧な表現、失礼のない表現を学習できるので助かっている」と、述べていた。

 初参加のSさん(30代女性)は、「英語と西表島について詳しく知ることができてよかった」

 ホテルに勤めて、何度も参加しているKさん(20代女性)は、「毎回、観光に関する英語が学べてうれしいです。仕事でも使えるので・・・」と、学習効果が速攻で効いてくることを喜んでいた。

 授業は時折観光の現場で起こっている様々な事象にも触れていた。

 観光客がグラスボートに乗る人と乗らない人に分かれたために、通訳が乗らない人を心配してそちらの側に同行。乗った観光客が、通訳がいない状況になるとは思わず、グラスボート側でも通訳なしなので、観光客はサンゴのことが全くわからない状況となった。実に残念な光景となった状況が紹介されていた。

 観光関係の人が簡単な英語でもできるようになっていれば、伝わるものがあったはず。観光現場で要求されているものが、そこにあるようだ。

 目の前に来ている南西諸島の世界遺産登録。それで増える外国人観光客は5倍ともいわれている。その備えに、言葉が通じることは初歩中の初歩。

 今、問題の新型コロナウィルスに関しても、外国人への対応能力は必須中の必須。早期の細かなアナウンスができなければ、混乱はなお混乱を引き起こしかねない。

 感染症が絡めば、それは島人には、無関係とはならないことを意味するので、これまで以上に真剣になる必要が出てくる。

(流杉一行)

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