休校せず 八重山の児童生徒登校

                                   (写真は資料映像:記事とは無関係)
 新型コロナウィルス「コビッド19」の感染拡大で、世界がイベント中止や規模縮小に見舞われている中、安倍政権は26日に全国へイベント自粛要請し、27日に全国の小中学校、高校、特別支援学校へ、3月2日以降の臨時休校(春休みまで続ける)の要請を実施。これを受け、沖縄県教育委員会は、臨時休校を3月4日から15日まで実施することを決定。

 一方、八重山では、石垣市、竹富町、与那国町の教育委員会が協議の後、休校しないことを2月28日発表。保護者の判断で児童が登校を自粛する場合は欠席扱いしないと発表。

 かくして3月2日、八重山の3市町の教育委員会の決定どおり各学校は休校せず、若干名の保護者が児童の登校の自粛を申し出たものの、ごくわずかで、ほぼ通常通りの登校を児童生徒たちは実施。

 2月28日の記者会見では、石垣市は判断理由を、感染者が発生していないこと、ほかの市町村からの通学による流入人口がない点。

 また、共稼ぎ家庭が多く児童生徒を長期間休ませる際の親の負担が大きいこと。

 そして、一部を除き公共交通機関を使う登下校がないなどを理由にしている。

「助かるね。ずっと春休みまで、子どもを見られない」と、父兄の間で共稼ぎが続けられること、実家への負担など、対応策に悩まされずに済み、安堵する声も聴かれた。

 一方、巷は臨時休校にとどまらず、臨時休館も様々な施設へ波及して、全国的に目に見えない「コビッド19」に立ち向かう姿勢を見せている。そんな中、一抹の不安を抱えたまま、休校しない選択はいつまで続けるか。

 逆に休校を続ける全国の市町村は、いつ再開するかに注意が注がれるものの、まだ続く先の見えないパンディミック兆候に、インフルエンザのように学校が感染源になることは避けられている。

 中国での8万人を超えた感染者数(死者2910人)、韓国でも4335人と膨れ上がり続ける感染者と、隣国の拡大状況はとどまるところを知らない。日本も同様で、2日に新たに19人の感染が発覚。日本での感染者数は、ダイヤモンド・プリンセスの乗員乗客を含めて、980人となった。

 19人の内訳は、北海道5人、新潟4人、神奈川5人、大阪2人、高知1人、愛媛1人、ダイヤモンド・プリンセス外国籍乗務員1人。
 
 関心の薄い若年層が、熱が出ても病院へ行かずに外出を控えていられるか。熱がなくとも感染している場合があり、それで濃厚感染を周囲に起こしてしまう。実にやっかいな「コビッド19」。

 見えない病原菌との闘いは、視覚化したコミュニケーションに浸る若年層に、はたして本気でとどくかどうか。

(流杉一行)
 

 
 
 

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