在校生不在で3高校の卒業式 新型コロナを警戒

 3月1日は八重山の県立3高校で卒業式が行われた。

 今年は新型コロナウィルス感染が全国で拡大。そのリスク回避から日本政府がイベントの自粛を呼びかけたほか、全国の市町村へ小中学校の3月2日から春休みまでの休校実施を呼びかけた。

 感染経路の不明な感染者が多数出る北海道でもすでに緊急事態宣言下にあることから、八重山でも万が一に備えて県立高校の卒業式を短縮。

 在校生の出席を取りやめ、式辞、祝辞、学事報告もせず、パンフレットでの記載されたものを読んでほしいと、マイクで紹介するのみで、短時間で済ますために省略しての実施となった。

 午前9時30分からは県立八重山高校で卒業式が行われたほか、午前10時からは県立八重山商工高校が挙行。県立八重山農林高校でも行われたが、同農林高校ではマスコミ取材も断る厳格さでの実施となっていた。

 県立八重山商工高校では、入場者へのアルコール消毒と、マスクをすることを呼びかけたほか、体育館の入り口では、係員が実際にひとりひとり手にアルコール消毒を実施する徹底ぶり。

 それでも八重山高校の恒例のくす玉や、卒業認定の声の直後の風船わりなどは、いつもどおり行われたほか、八重山商工高校の卒業生が担任に、筋書きなしのお別れの言葉かけなど、思い出に残るシーンもしっかり実施されていた。

 本来、在校生が座る体育館スペースには父兄らが余裕で陣取っての卒業式で、卒業生の倍の人数がその場に参加する式に比べて、独特の重圧感は割合薄れており、万が一の措置とはいえ、特殊な卒業式となったことは、残念といえそう。

 ただ、マスク姿で万全に備えた父兄らは、卒業生の退場時には、しっかり手拍子で送り出し、子どもの卒業の門出を祝えたことを実感していた。

 「しかたないね」そんな声も聴かれた父兄の言葉は、万が一にも八重山に入っていたりするリスクを、気遣ってのもの。

 会場の父兄のマスク姿には、冬を過ぎるまで感染警戒のために注意を怠れない強い思いが現れていた。

(流杉一行)

この記事をシェアする