南の島の星まつり 大勢の来場者が満天の星堪能

 8月3日午後6時から石垣島のサザンゲートブリッジを渡った南ぬ浜町緑地公園で、南の島の星まつりの一貫で行われる、ライトダウン星空観望会&夕涼みライブが開催された。

会場の公園には、多くの市民・観光客が敷物を手に参集して、ティンガーラの舞台や、ケイスケサカモト、夏川りみ、スクープ・オン・サムバディの歌声に酔いしれ、午後9時から30分間の石垣島一斉ライトダウンでは、八重山星の会のメンバーによる星の説明とバックで奏でられる三線の音色の下で、上空に広がる天の川と強く輝く星々を鑑賞。会場は大いに盛り上がっていた。

なお、今回は星空の下で二人の愛を誓う星空ウエディングは実施されなかった。

 まだ日の落ちない明るい時間帯からはじまった夕涼みライブは、ティンガーラの舞台と主催者挨拶を挟んでケイスケサカモトのライブ、夏川りみとケイスケサカモトのライブ、夏川りみのライブ、スクープ・オン・サムバディのライブと続いて、9時のライトダウンに突入していった。

 この夕涼みライブが進む間に、東の空から三日月が姿を現し、やがて木星や土星が南の空に現れ、その後も観測できる星が出てきた。

八重山星の会が用意した望遠鏡が、それら次々に現れる星をとらえて、来場者にくっきりと見えるファインダーの星を披露。会員らは星に関する説明をしながら、神秘あふれる星の素顔を語っていた。

 とっぷりと暮れてくると、木星の映る望遠鏡のファインダーには、木星の周囲を巡る衛星も見えて、その鮮明な映りにびっくりする人もいた。また土星のリングも見えて、大勢が集まる中で天文世界の神秘に触れる不思議な体験をしていた。

 この日は、4日に開催される講演会で話す本間氏は、ブラックホール撮影でクリアな解析を実現した人物。そのブラックホールのある場所が、M87と呼ばれる星団で、その場所にも望遠鏡が当てられ、星がたくさん集まるはるかかなたながらもっとも近いブラックホールの場所を見せていた。

 夕涼みライブが終わると、ライトダウンのカウントダウンが夏川りみ、スクープ・オン・サンバディ、ケイスケサカモト、石垣88、ティンガーラらによって行われた。

昨年は雨天で屋内練習場での開催だったことで、今回久しぶりの満天の星を期待するあまりか、司会の「ライトダウン!」という声で一斉に消灯されるところを、誤って「カウントダウン!」と宣言。

あわてて訂正するそんな楽しいアクシデントもあり、毎年、消灯に時間がかかったり、突然にカウントダウンが始まってステージが動揺するなど、いろいろあるカウントダウンの新たなバージョンとなっていた。

 会場の売店やステージ、外灯類が一斉に消されてからは、八重山星の会が司会を引き受け進行。

 木星、土星、M87、天の川の紹介から、夏の大三角や、様々な星の話が出て、たのしい星空観望会となっていた。

  南の島の星まつりは、3日のライトダウン星空観望会と夕涼みライブを軸にスタート。

同じく3日に、銀河系のマップ作りに挑む電波望遠鏡VERA観測局の特別公開も実施されている。

沖縄九州で最大の望遠鏡「むりかぶし」を「持つ石垣島天文台では、4D2U体験シアター(4次元デジタル宇宙映像を3Dメガネで鑑賞:3日から)や天体観測会(4日から)が、12日まで実施され、星空に関心ある人には、うれしい一週間が続くことになる。

また、8月7日には夜の気象台見学会が開催され、石垣島地方気象台で気象観測用の巨大風船が飛ばされる模様が見学できる。(天文台・気象台のイベントには事前予約が必要)

 また、最近できたばかりのユーグレナ石垣港離島ターミナル内のプラネタリウム美ら星ゲートで「プラネタリウムで見る八重山の星空」を無料で披露。(通常は一人1200円<島割700円>)

 また、4日午後1時半からは石垣市立図書館で星まつり記念講演会が開催される。

「石垣島発、天の川経由、ブラックホール行き~ブラックホール撮影までの道のり~」と題して、国立天文台教授の本間希樹氏による講演があり、ブラックホールの可視化を遂げた人の話に多くの人の関心が集まっている。

(流杉一行)

この記事をシェアする