想い込め米為御嶽でオンプール

 豊年祭シーズン真っただ中の八重山では、7月25日は四カ字(石垣・登野城・大川・新川)のオンプールの日。各字の御嶽では豊年祭が開催され、今年の豊作に感謝するとともに、来夏世の豊穣を祈願する日となる。

 登野城字会では、オンプールのこの日、午前9時から稲作発祥の地として崇められているイヤナスオン(米為御嶽)に2基の旗頭が到着。(イヤナスオンは、稲種子を八重山に伝えたタルファイ・マルファイ兄妹の内のマルファイの墓とされる)

 今年は、当御嶽の本殿であるクバント(小波本御嶽)の前で旗頭の奉納が行われ、神司による祈願がおこなわれた。

 このあと、古い御嶽の形を今に遺す、タルファイ・マルファイの住居跡とされるクバントで、古式ゆかしい儀式がおこなわれたあと、御嶽を前に太鼓隊による太鼓の奉納が行われた。

 稲の種子をベトナム安南のアレシンから八重山にもたらし、稲作を伝授したとされる兄妹の住居での祈願のあとは、タルファイ・マルファイが祀られるイヤナスオンで、登野城字会役員や字会関係者および来賓らによりオンプールが開催された。

 冒頭、玉城学字会長による祈願文が読み上げられ、天恵による五穀豊穣から字民が心の安寧が得られたことに感謝し、来夏世の豊穣を祈願していた。

 このあと、登野城字会の長老が神酒を頂きながら神への祈願をするミシャグパーシーが行われ、唄を交えた儀式を通しながら御嶽の神への祈願を成就していた。

 長老や関係者による厳粛な儀式の後は、玉城字会長による挨拶がおこなわれ、神司によるウクズの占いでは、神は喜んでいるとの報告も行われていた。

 中山義隆市長挨拶や乾杯の音頭のあとは、太鼓隊や登野城婦人会の舞の奉納が行われて、賑わいの中、四カ字豊年祭の最古のオンでのプールがお開きとなっていた。いよいよ明日、石垣島最大の豊年祭が幕を切る。

(流杉一行)



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