7月17日午後1時から石垣市役所2階庁議室で八重山青年会議所の役員ら5名と八重山商工高校商業科観光コース2年生の14人が中山義隆石垣市長へ「次世代へ繋げるユニバーサルツーリズム」の提言書を手渡した。
これは、八重山青年会議所共生推進委員会が取り組んでいる「誰もが暮らしやすい社会の実現」を目指してユニバーサルツーリズムを実践。
それをもとに石垣市における共生社会の実現に何が必要かを提言書として石垣市に提出するもの。
この日、八重山青年会議所の共生推進委員会国仲恵亮委員長が、何をもって共生がなるかを考えた時、まず最初に障がい者の方々の側からのバリアフリーを考えようとスタート」したことを説明。
市役所福祉課に相談して石垣市障がい者団体協議会からまず交流してほしいと意見をもらったことで、障がい者の人がなかなか利用できない観光を巡りながら、いっしょに交流するのはどうかと企画。
そこで、障がい者が利用する観点で島の観光地を直に見ながら回れると考えて、ユニバーサルツーリズムを実施した旨を市長に説明した。
このユニバーサルツーリズムは、去る6月9日に、障がい者がボランティアとともに、バス2台に便乗して宮良川カヌーと底地ビーチBBQと八重山博物館見学などの体験を実施。
そこで石垣市障がい者団体協議会と多数のボランティアが参加。
そのボランティアの中には八重山商工高校観光コース17人も加わって、視覚障がい者8人、聴覚障がい者7人、肢体不自由障がい者8人と高校生らが直に接して、BBQの後には意見交換会も開催。
今回の取り組みは、この意見交換会を通じて、障がい者の側から出る問題点を高校生が再度障がい者とともに、2日後の11日に教室の授業でも洗い出し作業を実施して、石垣市への提言書づくりに協力している。観光地石垣を次世代へ繋げる意味も加味させる、新鮮さを感じさせるバリアフリー推進といえる。
今回まとまった石垣市長への提言書が、国仲委員長により読み上げられ、八重山博物館への音声ガイドの導入、ノンステップバスの普及、バリアフリータイプの歩道の増設、音響装置付き信号機の増設、点字ブロックの増設、手すり・スロープの増設、ガードレールの増設、カーブミラーの増設、石垣市の発行物・発送物の点訳、底地ビーチのユニバーサルビーチ化の推進などに加え、市立図書館のオーディオブックの充実、各学校での障がい者と交流授業の導入、手話授業の導入、移動支援の見直し、災害時の障がい者避難計画の見直しなど、障がい者にとって日ごろかあ心配されていることも盛り込まれて、観光だけでなく誰もが暮らしやすい社会の実現に向けたものにもなっていた。
提言書を受け取った中山市長は、「障がい者団体の人といっしょに回って、話し合っての提言書なので、貴重な意見として受け取らさせてもらいます。質の高い観光地を目指していきたいと思っています。誰もが来れる観光地を目指したい。バリアフリー化を進めれば、誰もが来れる観光地化ができ、いっしょに楽しめるようになると思う。この提言書を受け取って石垣市の施策に反映させていきたい」と、述べていた。
提出後、感想を聞かれて八重山商工高校商業科観光コース2年の入里奈留美さんは、「この経験をしてから、学校の近く見かけたときに障がい者の人を気遣う自分を発見して、いい体験ができたと思った」と述べ、「多くの人に交流する経験をもってほしいと思った」と述べていた。
同じく観光コース2年の片倉英智さんは「交流会で障がい者の人と接して、いい人なのがわかった。健常者からの受けたひどい態度の話に、自分も苦しく感じた。障がいもつ人の声をもっと多く人に知ってほしいと思った」と述べていた。
(流杉一行)