15回目の人魚の里「星野夏まつり」

 7月20日午後5時から石垣島北部の星野集落が地域を挙げて開催する人魚の里星野夏まつりが星野自治公民館広場で開催され、多くの来場者で会場は盛り上がっていた。

 4年前から2経路の無料シャトルバスを運行して、市街地や北部地区から人が集えるよう配慮しており、すでに13日に開催済の野底つぃんだら祭、8月14日開催予定の明石エイサー祭りと並ぶ石垣島北部地域3大夏祭りのひとつとして北部地区の活性を担っている。

 星野夏まつりは、15年前から開催されており、石垣島北部の星野集落を人魚伝説でアピールしようと、村おこしを念頭にスタート。

 数年前には、1200人の集客を見せるほどに盛り上がりを見せている。

 この日は、小中学校が夏休みに突入の日でもあり、市内のいくつかの小学校で夏祭りが開催されるなどしたため、超満員とはいかなかったものの、多くの市民が参集して、夏祭りを楽しんでいた。

 この日、高校生バンド「ダンガリーズ」や「富崎義明さん(Tジャパン)ステージ」と、活気ある舞台からスタートした夏まつりは、砂川利勝実行委員長の挨拶を挟んで、伊野田小学校の17人の生徒による「ゆいまーる学童クラブ」のダンス、「ハレマルハレパプ」のタヒチアンダンス、星野女性と名蔵婦人会による桃里節、縄跳びなどの伊野田小学校ステージなど、手作り感満載の心温まる舞台を展開していた。

 家族連れや友人知人とともに集まった人々は、スマホやカメラで活躍ぶりを撮影するなどして、張り切るステージ上の演者と観客席が和やかに一体となって、大いに楽しんでいた。

 北部の3小学校(伊野田、明石、野底)のメンバーでなるバスケットボールチーム「北部ファイターズ」のPRコーナーも設けられ、練習で集まるのも親の送迎が欠かせないハンデを持ちながら、バスケットに頑張る子供たちのたくましい姿も紹介されていた。

 午後7時頃からはビール早飲み大会が行われた。

 6チームを募るも4チームしか集まらなかったものの、豪快なビールの飲みっぷりを各チーム披露して、会場を沸かせていた。

 そのあとはウイングキッズリーダーズの子供たちによる笑顔溢れる切れのある舞台や、ナチュラルスピリッツによる迫力満点のファイヤーダンスが披露され、会場は最高潮に盛り上がっていた。

 午後8時頃には、メインイベントのライトダウン・人魚伝説朗読が行われ、大津波から村を救った人魚伝説が朗読された。

 抽選会では5等から3等まで、アカジンミーバイやモズク、パッションフルーツなどが当選者へ贈られ、また2等は夏らしく扇風機。

 そしてなんと1等は50インチのテレビと、豪華賞品ぶりに会場は大きくざわついて、楽しい時間を過ごしていた。

 抽選会のあとは、島仲久さんによるステージが行われたほか、花火も打ち上げられて、盛況裡に幕となっていた。

 この日訪れた女性5人グループの中のひとりは、「初めて来ました。市街地の字石垣から来たのですが、来れてよかったです。息子の友人が参加するというので見に来ました。どの演目もよかったですが、中でもファイヤーダンスがよかったです」と、感想を話してくれた。

 星野公民館長の平良雅樹氏は「天候が心配されましたが、15回目のまつりが無事開催でき、とてもうれしく思います。15年間つないでこれたことや、こんなにたくさんの人が来てくれたことに、本当に感謝しています。この祭りは、星野を知ってもらうために催したもので、この地に伝わる人魚伝説を大事にしていきたいと、毎年人魚伝説の朗読劇を実施しています」と、述べていた。

 なお来年は星野集落は開拓70周年記念となる。大宜味村や宮古島からの自由移民で入植した祖父母、両親、先輩らが築いた歴史を大切に、70周年にふさわしい式典にしたいと、意欲的を見せていた。

 (流杉一行)

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