2019石垣港みなとまつり盛会

 海の日となる7月15日の午前10時からユーグレナ石垣港離島ターミナルや旧離島桟橋周辺で「2019石垣港みなとまつり」が開催された。

 ふれあいプール、小型ヨット体験試乗会、「石垣港」「海上保安」「石西礁湖」などのパネル展、海上保安庁巡視船の一般公開・救助訓練見学などの海の日にちなんだイベントが実施されたほか、20回目を迎えるみなとの夕べも旧離島桟橋を中心に開催され、午前10時の歩行者天国・出店開店から会場は大いに盛り上がっていた。

 みなと通り会や石垣市建設部港湾課、石垣港湾事務所、石垣海上保安部、石垣航空基地、NPO法人八重山ヨット倶楽部、ジュニアヨットクラブ、NPO法人石西礁湖サンゴ基金が実行委員会を結成しての開催は、港を活用する船会社や関連業者各社の支援も加わり、八重山の玄関口のひとつである石垣港のみなと機能を網羅する楽しいイベントとなっていた。

 なかでも人気のみなとの夕べには、午後4時頃から多くの来場者が旧離島桟橋周辺に集まっていた。船上ステージの前に座り込んで港の風を感じつつ、子供エイサーやフラダンスHULA LINO LEO(リノレオ)、八重山高校カラーガード部の会場エプロンでの演舞を来場者は堪能。

 可愛い彼らの姿をスマホなどで撮影する父兄らの姿も多く、親子づれや孫子を連れた高齢者らも「かわいい」の声をあげて熱心に子どもたちの活躍を見守っていた。

 船上での演目に移るとARA JAZZトリオの演奏が夕刻の会場を盛り上げて、リカトゥモールのライブも、強い西日の下ながら楽しい時間を演出。
「サニンの花が咲く頃~」、「もうすぐこのまちは雨~」「おいでおいで、おいで~」など、島を舞台に作られるリカトゥモールの独自な歌世界を披露して、会場を盛り上げていた。

 このあと八重山民謡の祭典のコーナーとなり、西表島上原に伝わるデンサ節の大会チャンピオン・島仲亜希さんが登場して、白保節、真謝井戸、つんだら節、クバ山越道などを披露した後、今年の第18回デンサ節大会で見事最優秀賞に輝いたデンサ節の歌声を熱唱。その見事な歌声に会場は大いに沸き返っていた。

 民謡の舞台ともなると、そこは八重山。この時間帯から地元の来場者が増え、歌声を聞こうと民謡好きが続々集まっていた。

 平成30年第13回小浜節大会最優秀賞・野底忠さん、平成17年どぅなんすんかに大会最優秀賞・東金嶺等さん、平成29年とぅばらーま大会最優秀賞の大石定治さんと、それぞれチャンピオンは、5・6曲得意な民謡を披露したあと、最優秀に輝いた八重山を代表する民謡の歌声を披露。夕闇迫る中、高く伸びやかで渋い歌声が会場に響き渡っていた。

 このあとは、八重山出身で島外で活躍し、現在は島に戻りCMなどでもおなじみの人気歌手・池田卓、ミヤギマモルのライブが行われた。
 会場も月が出ての最高潮の中、誰もが知る有名どころのヒット曲や、CM曲、新たに島で作られた曲などを披露して盛り上がり、最後は予定にはなかった花火が小規模ながら打ち上げられ、来場者を喜ばせた。

 八重山の玄関口・石垣港での、文字通り港の祭典である「みなとまつり」は、1998年に生まれた「海の日」の盛り立てと地域活性をねらうイベント。
 当時あやぱにモールと呼ばれていた現ユーグレナモールとの、観光客の動線を結ぶ観光イベントのねらいもあった。この時期は、まだ1500隻のクリアランス船が毎年(名蔵湾での洋上手続きだけだが)石垣港付近に入港しており、あれから20年。 隔絶の感ある今の時代、20世紀に生まれたこのイベントは、かくも盛況に伝統文化を加味し続けて存続している。

(流杉一行)

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