セッカの鳴き声響く 沈黙の晩夏  

  チョンチョンナーと地元石垣島では言われるセッカは、本州以南で繁殖するスズメ目ウグイス科の野鳥。

雪の多い土地や本州北部のものは冬に南下する。

八重山で見られるセッカは留鳥。ただ、このセッカの漢字表記が「雪加」となるというから、八重山では馴染めない。島に珍しくない野鳥のセッカだ。よその鳥に感じてしまう。

 8月に入り、八重山には厳しい日差しは変わらないが、やはり風があることで、木陰の涼に助けられている。日本本土の高温傾向は、これから残暑であれば、高温は弱まるとして、降雨災害の心配は、まだ続きそうだ。

 さて、八重山の原野を見て、その野鳥の少なさが気になる。ヒヨドリも鳴かない。セッカとオサハシブトガラスの声が聞こえるのみ。冬鳥の本格的な飛来を前に、なっぜか野鳥の鳴き声が少ない。留鳥たちが縄張りを主張するような、大きな鳴き声が聞かれない。
 なぜか元気がない。

 昨年は毎年12月にみられるシロハラ、アカハラの飛来が、不思議に少なく、寂しい12月だった。ツグミも少なかった。

温暖化の気象変動の影響で、彼らの海を渡る行動に影響が出ているのだろうか。この沈黙の8月上旬の光景が気になる。八重山の乱開発もあるが、それ以上に、気象変動がもたらすものが、今後、いろんな分野に響いていくのではないか。

 128万人突破などと、観光ブームに浮かれてばかりでは、先は危なくないか。

(流杉一行)

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