さしみ屋調査で総括授業

 八重山商工高校商業科観光コースの3年生が取り組んできたさしみ屋(てんぷら)調査は、2月2日、総括の授業の日を向かえて、男子2名、女子8名が、同校マルチメディア室東に集合した。

 これは、昨年9月15日から毎週金曜日の1から3時限にさしみ調査を実施してきた観光コースの面々の総括の時間で、この日午後12時15分から昼食をしながらさしみと天ぷらを試食しつつ、調査の感想を述べあった。

 初回も天ぷらの試食をしながらの授業だったことを考えると異色の授業で、これも初の試みでもある外部の講師を招いての授業でもあり、生徒からテーマへの関心を引き出す方法がとられている。

 その講師は、石垣市商振興課で地域興し協力隊として活動する東京大学客員研究員の渡邊義弘氏で、この日、さしみと天ぷらをどっさり持参して、生徒らの感想を聞いていた。

 授業は、ひとりひとりが順番に感想を述べていく形で進められ、生徒らは、自分の弁当を広げて、用意されたさしみや天ぷらを食べつつ、一連の調査をふりかえった。

さしみ屋の数の多さに驚いた話を筆頭に、さしみ屋の「てんぷら」と本土のものとの違いを知ったこと。

あるいは、さしみ屋で調査に応じてくれた店主のやさしさに触れうれしかったこと。調査を通じて島のさしみ屋のてんぷらが好きになったことなど、生徒らは自分が感じたままを、自分の言葉で熱心に話していた。

 調査する店ごとに感じた個性が、生徒らには発見と自信をもたらしたかに、初回の授業になかった熱気がこの日の授業に生まれており、担任の先生も生徒らの成長をそこに感じているようだった。

 出地佑希くんは「昔からあるさしみ屋も多いが、新しいさしみ屋で話を聞きにいくと、快く話をしてくれ、さしみもおいしかったので、親に話したところ、試そうということでそこでさしみを買ってきてくれた。後日、通りかかって「ありがとうね」と声をかけられて、調査を通じてさしみ屋とのきずなができた感じがして、うれしかった。」

 と、述べていた。

 なお、調査の内容は冊子にまとめられ、まだ未調査分があり、今後、2年生に譲ることにするか打診されると、そこは意欲ある生徒らに仕上げを任すことが確認された。2月下旬には作成し、桟橋マーケットでアピールすることも考案中とのこと。

 (流杉一行)

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