日本防災士会による防災講話

 6月28日午前9時から八重山警察署3階調授場で日本防災士会沖縄県支部長による防災講話が開催された。

 これは八重山では明和の大津波など激甚災害が過去に発生していることから、八重山署員だけでなく、海岸近くの八島小学校や新川小学校などの教職員に防災意識の向上と「防災先進まちづくり」を促進する目的での開催となった。

 会場には28名が参加して、講師の新城格さん(日本防災士会沖縄県支部長)が「災害は必ずやってくる 応災力に強くなろう」と題する講話を、東日本大震災や阪神大震災の映像をスクリーンに展開して、災害に強くなるためには地域を知り、人を知り、災害を知る必要があることを表明。また大災害の教訓として、避難所の運営に関して、女性への配慮が欠けており、避難所のトップを女性にして運営を任すのもいいのではないかと、提案していた。加えて、ボランティアの中には、善意でなはなく泥棒目的であったり、浮浪者が食事目的だったりするケースがあり、対応する社会福祉協議会は、必要なボランティアの需要を被災後即座に出し、管理体制をつくらなければ、マッチング作業なしに現場へ生かせてくれと言う声に押されて、不審な人の侵入を許すことになる。社会福祉協議会はこれに関する訓練が必要となると述べていた。

 また、避難所を開設する際に、その方法を書き込み、プラカード類を予め用意して収納しておく避難所開設キットに関しては、新城氏は石垣市の取り組みを高く評価。沖縄県でもこの取り組みは、どこもやっておらず、石垣市が唯一の先進地域となると述べていた。

 また防災に関して、訓練で必ずいちゃもんをつける人が現れるが、「訓練には正解はない」とするとらえ方で、次にはどう生かすかを考えることが必要というスタンスが大切だと述べていた。

 災害時の最大の問題として、人倫の問題に触れ、目の前で被災する人を救おうとして流された人が、東日本大震災ではたくさんあり、その映像シーンを見せながら、予めの絆と備えることで被害をなくすことが大事だと結んでいた。

(流杉一行)

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