3月5日、午前11時頃、西表島大原の南方沖のリーフの際（水深約３０メートル）で親子と思われるクジラが発見された。発見したのはフィッシングガイドサービス「リトルターン」の長島裕二さん(43)。「そばでブリーチング(水上に体を乗り出して水面を叩く行動)を一度だけやりましたが、気付いて目を向けた時には、水しぶきしか見えませんでした。一度きりなのでその写真はとれませんでした」とのこと。「写真やテレビで見るよりも、凄いです」と、１５ｍあったという。ザトウクジラの可能性が高い。

　クジラ＆イルカ救援プロジェクトの安田雅弘さんは「西表島の南に現れたとすれば、西表島のヨナラ水道を通って川平石崎を通過して北上するコースをいくでしょうね。前に名蔵湾に現れたこともあるから・・・」と、その後のルートは、石垣島の西の可能性が高いという。鯨は脳の半分だけ寝ることができるので、止まって寝ることはないという。

　「台湾の南付近で子育てする鯨が見られるという。5日は晴天だったので、多分北上して泳ぎ去った可能性は高い」と安田氏。２０１５年2月21日にも親子のザトウクジラが川平湾の沖合で見られている。八重山の海域でザトウクジラが見られる幸運があり得るのはうれしいかぎりだ。
（写真はフィッシングガイドサービス「リトルターン」の長島裕二さん提供）

（流杉一行）