11月4日、5日の二日間、石垣市新栄公園と石垣市民会館周辺で第59回石垣島まつりが開催され、多くの市民で会場は盛り上がった。
4日正午にオープニングセレモニーが行われ、主催者挨拶で中山義隆石垣市長は、石垣島まつりがコロナ以前に戻ったことを告げ、「伝統文化や石垣島のライフスタイルを伝え、人流、交流、物流の経済基盤を支える催事として、更なる発展を目指していきたい」と述べていた。
またオープニングセレモニーで見せた100人の踊り手による「バスヌトリ節」は、島の伝統を大切に続けてきた石垣市民のまつり観を現出。壮観さがあった。
13時からはステージパフォーマンス2023が舞台で披露され、THE HANGOVER、mellow green doraconian、Cavern Beat、BRISA DO SUL、イヤリング、√おやつ、頭満(とーまん)と野田マユミ、ケダモリダイスケwithSALA BOWLS,、リバーライマーズ、ジャスミン、KI-HATが個性的で多彩な音楽とダンスを見せ、聴衆を魅了していた。
午後7時には郷土芸能の夕べが石垣島まつり特別公演として展開していた。
14の出店が会場に展開して飲食を提供。石垣島まつりの基本構造でもある出店の雰囲気は、前身の商工まつりの核でもあり、なくてはならない光景で、市民会館側に用意された友好親善都市による物産展も、9都市(羽島市、小野町、北上町、岡崎市、さいたま市、台湾蘇澳鎮、川崎町、春日部市)からの参加で、物産だけでなく、販売担当スタッフからご当地のことを教わるなど、知見を広める意味でも充実した出展となっていた。
symple-column-last
なかでも台湾蘇澳鎮鎮からの物産参加は、姉妹都市提携より28年にして初となり、蘇襖鎮の遅すぎた感がある。今年2月に石垣市が台湾蘇澳鎮で石垣島の物産展を実施したことから実現した模様で、平和を基調に交流するねらいが感じられる。
国際政治の世界では、ロシアのウクライナ侵攻に、ハマスによる侵攻と拉致でイスラエルがガザへ侵攻。米国はイスラエル支援を表明して、停戦が休戦で西側の足並みが乱れることになっている。スーダンやニジェールでも紛争が起こり、ロシアのウクライナ侵攻以後、分断が深刻化。世界がおかしくなっている。だから国際交流は大事なこと。
御存知、台湾への中国の不穏な動きがある中、中国の不動産バブル崩壊で経済状況が危機になっている。日本は輸出先をインドに振り分けることができるのか。人手不足も深刻化する日本。物産があって景気が成り立つ。紛争に左右される観光は水物だ。外貨獲得手段に考えるなら、大間違い。
日台の国境をまたいでの2都市で交流の深まりは、大事ではある。ただ不思議な光景があった。そのブース前に自衛隊のブースが置かれて、自衛隊の持つ不穏さを和ませたい思惑があるかに感じられる。そう、石垣島まつり初展示の2つのブースなのだった。
こういうことが、市民の了解を厚く得てやるなら、相当にすばらしいこと。住民投票を否定し、万が一の住民避難手段の無効さを、うやむやに放置。
元来、市民参加の自治を否定し、島の分断をなんとも思わず、いろんなことをバラバラに手を尽くして、いったい何になるのか。いろいろ30年間取材してきて、これほどいろんな方面でいろいろやる市長はいなかった。が、・・・第一産業の島の根底を忘れてしまえば、根無し草。第2次産業も第3次産業も、第6次産業も、第1次産品と?んでいなければ、意味がない。実に、がっかりするばかり。
資材費の値上げに苦しむ農家や漁家の支援の出店が、今、もっともレアな石垣島を示すはず。コロナ禍ならぬ、資材高騰禍に、まつりで支援もあり得るのでは。
(流杉一行)