石垣島で第2回トレイルラン&ウォーク

長塚淳さん(48)山形出身

 2月4日午前7時10分、朝日がでる寸前の空がしらんできた時刻にスタートの笛が鳴り響いた。第2回オーションビュートレイルラン&ウォークの最初のレース、60キロを走破する競技の86人が薄暗い中をスタートしたのだった。伊原間から平野海岸を目指し、平久保・久宇良を回って伊原間に戻る周回コースを1周して2週目は平野に到達したら今度は伊原間に引き返すコースの60キロ。このほか32キロと20キロ、12キロのラン、ウォーキングも32キロと20キロと12キロ、6キロがあり、この日、全470人の参加者が伊原間公民館に集い、トレイルラン&ウォークを楽しんだ。

 60キロの第一位は、長塚淳さん(40)(山形出身)。33キロ当たりが一番辛かったと振り返る。この競技は急な坂では普通は歩くことがあり、休める時間があるのだが、このコースはアップダウンがないために、休むところがなく走り続けたとのこと。海の景観には癒やされたとも。またスタートしてしばらくいったところで、馬が現れコースを先導してくれたことを笑顔で披露。牧場内を走るために起こったこと。思わず写真をとったと笑う長塚さん。

 実行委員長の喜久里忍(46)さんによると、このトレイル競技は、競い合うことを第一とせず、自然に向き合い、自分に向き合うことをテーマに実施されるもの。ランナーもウォーカーも小さなリュックを背負い、コース上の景観をたのしみながら実施される競技で、もともとは寂れゆく田舎への支援に開催され、地域振興を目的にした色彩のイベント。参加者は手作り感満載の自然に優しい開催を求めていて、コースの標示物をなるべく少なくし、コースを案内する人も立たせず、競技者の自主自立を原則に実施される。自然の中で感性を研ぎ澄まし、荒野を駆け抜けあるいは歩くアドベンチャー的な性格の競技。参加者は地域でがんばる人々に力になりたい想いがある人が集い、主催側も宿泊や食事を地元で行ってもらえるように配慮。参加料には食事券も込みとなっていて、地域にお金を落とす形を率先してつくっている。ゆえに今回の大会中は伊原間の宿泊施設は満杯で、大会趣旨に賛同する地元の人の顔ぶれも有り、有意義な交流の場にもなっていた。

 大会に参加したひとり、福岡県の望月秀樹さん(48)は、「普通、トレイルランは山のコースが多いので、石垣のコースは平坦な場所が多くで走りやすかったので、楽しかった。
地域の支援がしたくても何も出来ないので、せめて大会に出場して、お金も落として、支援したい」望月さんは、年に10回もトレイルランに参加。しているという。

 熱い想いのアスリートが石垣島北部の自然豊かな風景を堪能しながら走ってくれる。伊原間関係者にとって、うれしい光景を目にしながら、2年目の地域振興イベントの定着に希望を託している。

(流杉一行)

この記事をシェアする