西表中学ダブル優勝 八重山中学校駅伝競走大会

 10月1日、石垣市中央運動公園陸上競技場で八重山中学校駅伝競走大会が実施され、西表中学校が男女ダブル優勝を実現。離島チームが石垣島の大規模校を制しての快挙に、会場は大いに盛り上がっていた。

 午前9時の女子スタートは、スタートを告げるピストルが不発で、再度のスタートとなったが、スタート直後から西表中学が2位を引き離す強さを見せていた。

 その後、石垣第2中学にトップを譲るも、最終5区で再びトップに躍り出て、そのままゴールを決めていた。

 区間賞には、1区西表・長澤あかり、2区西表・和光千彩、3区石垣第二・比嘉五月、4区西表・山下福、5区西表・和光眞彩に輝いた。なんと西表中学が4つの区間賞を獲得している。

 男子スタートは、女子のゴールがずれ込み、遅れてのスタート。午前10時15分にスタートを切ると、波照間中学Aが区間タイムをマークして1位でタスキをつなぎ、2位で西表中学が続いたが、2区から3区へは、3位に沈み、2区ですでに1位になった大浜が3区へもトップでタスキを渡すも、波照間中学も負けずに猛追して大浜中学、波照間中学、西表中学がデッドヒートを展開。

 この日差しの強さを吹き飛ばす、激しいレース展開を制したのは、西表中学。ゴールを走り切っても歩ける体力を温存する西表中学に、2位大浜中学、3位波照間中学の2人のアンカーは、ゴール直後にダウン。

 マットの上でチームから健闘を讃えられていた。その様子は、当たり前だが、亜熱帯の炎天下での、厳しいレースの激しさを、直に物語っていた。

 西表の最終6区を走った西表中学の川端純選手は、タスキを2位で受け、先頭の後ろにピタリついて、ゴール近くでスプリント競争になるのを予想し、体力の温存を図りつつ、自分のペースを守って走り切り、走りながら、いけそうな気がしたとも。折を見て1位に躍り出て、後ろから来ているのを前提に走り向けたという。

 男女のダブル優勝に、森朝斗キャプテンは
「皆で努力をしてきたので、感動しました。努力が報われてうれしいです。1秒でも早く6区に?げれば、優勝できると思っていたので、皆全力で応援しました。小規模校ならではの、1年生・2年生・3年生が分け隔てなく皆仲良しで、それだからこそ、言い合いもあり、仲良くもできて、声もかけあったりできて、日常的にそれがあったから、団結できたと思います。次は九州大会に出られるように上位を目指していきたいと思います。」と述べていた。

 キャプテンに昨年から今年の変化について聞くと、男子も女子もスプリントに力を入れたメニューをこなした話が出ていた。男子からは、レース展開を想定した練習が入念に積まれていることもうかがえた。ペースを守って走る訓練を通して、どこで力を出すか、どんなレースにするか。チームで共有して、頭脳で集中しながら走れる中学生に、記者は驚かされた。

 中学生とは思えないガタイの揃った大浜中学校や、小柄ながらも切れのある走りを見せていた波照間中学校を、粘り強くデッドヒートについてゆき、最後の6区でトップの後ろにぴったりついて、様子をうかがいながらトップに踊り出ての勝ち方は、練習プラス小規模校の団結心の賜物なのか、とにかく見事というしかない。

 さて、駅伝といえば、4年前の2018年、沖縄県中学駅伝大会が石垣市中央運動公園で開催された時、石垣第二中学の砂川大河君選手が、4人抜きで区間賞を獲得。有望視され鹿児島実業を経て、今は山梨学院2年生。八重山の駅伝スターは、彼になるかも。

 八重山の中学生に憧れの選手を聞けば、箱根駅伝に出そうな砂川大河の名前が出るかと思いきや、どうも教わっていないのか、聞かれなかったのは残念。

女子1位は西表中学
  2位は石垣第二中学A
  3位は石垣中学
 
男子は1位は西表中学
   2位は大浜中学
   3位は波照間中学


   
(流杉一行)

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