5月22日午前10時半から市民連絡事務所で記者会見を実施。
3月22日に沖縄県知事が前勢岳北側で進む「(仮称)石垣リゾート&コミュニティー計画)」に対して、地域未来投資促進法に基づく「地域経済牽引事業計画」としての承認したことに対する抗議を発表した。
抗議するのは6団体の6人で、アンパルの自然を守る会の島村賢正氏、我がーやいまの自然環境を考える会の宮城信博氏、カンムリワシリサーチの小林孝氏、いのちと暮らしを守るオバーたちの会の山里節子氏、石垣島エコツーリズム協会の谷崎樹生氏、八重山ネーチャーエージェンシーの高木理恵氏、石垣島マザーツリーを守る会の会田昌平氏。
「沖縄県知事による「(仮称)石垣リゾート&コミュニティー計画)」「地域経済牽引事業計画」としての承認に強く抗議します!」とする抗議声明を、島村賢正氏が読み上げて、昨年9月から実施したきた反対署名運動1万1306筆(手書き7444筆、電子3862筆)を無視し、また申し入れの正当性も無視した不当な措置として、強い憤りを込めて厳重に抗議すると述べていた。
署名は現在は5月20日時点で2万6655筆に登っているとして、継続していくとのこと。
会見で島村氏は「石垣市が行政機関として市有地の貸与や占有許可を正式決定した事実がないにもかかわらず、ユニマットプレシャスが事業予定地に21・2ヘクタールの石垣市有地を勝手に含めて計画書を記載した不実記載に対して、一切の行政手続き凍結など厳正な対処を求めると、知事宛の要請書を提出し、対応を求めたことなどを公表。
12月6日にも再度県庁を訪ねて「ユニマットプレシアスの事業計画の開示・住民・専門家からの意見聴取の機会の確保」「上記計画が自然環境の保全と活用を通じた地域全体の振興に真に寄与するか否かを厳格に審査すること」「ユニマットプレシアスの環境評価書に対する知事意見書に盛り込まれた指摘事項に対するユニマットプレシアス社の保全対応策は到底不十分であり、根本的な改善策が示されるまでは、決して上記計画に同意しないこと」を骨子とする要請書を提出してきたことを述べ、県の賢明な判断を求め続けてきたにもかかわらず、この県の同計画への承認は、決して承服できるものではないと、述べていた。
昨年6月14日の事業者側提出の環境影響評価書には、県は整合性、記載誤り、根拠不明などを指摘し、地下水の汲み上げに伴う多岐にわたる影響に対する適切な対応、濁水処理・汚水処理に向けての周到な準備、農薬の抑制と外部への流出防止策の徹底、動植物調査における調査制度・調査頻度の向上、カンムリワシ調査における不備の指摘と営巣に伴う工事中止の判断基準の見直しなど、多くの項目についての対応策の根本的な見直しと是正を求める指摘をおこなっていた。
にもかかわらず10月末の最終評価書では、是正の提示ないまま、重要課題が積み残されたまま承認。その経緯を明らかにしてほしいとも、述べていた。
まだ公開されていないユニマットプレシアス社の「地域経済牽引事業計画」の公開を求めて、詳細な反対理由を後日行うとしていた。
このあと、6項目の反対理由を発表。
1 ゴルフ事業は地域経済を牽引しません。
2 カンムリワシ4組のペアを見殺しにしてはいけません。
3 光害からヤエヤマホタルの名所と星空を守らなければなりません。
4 生態系を破壊する危険な地下水の大量汲み上げを止めなければなりません。
5 農薬の使用は希少種やサンゴをはじめすべての生物へ必ず悪影響を及ぼします。ゴルフ場は無農薬でもできます。
6 前勢岳北斜面の景観を著しく損なう中高層ビルや戸建てビラ、ゴルフコースは要りません。
この後、沖縄県知事の玉城康裕氏に対して、この承認に対して行政不服審査請求を実施する件が発表され、その詳細が説明された他、その審査請求人として6名の個人が名を連ねており、なお追加で広く賛同できる人を募集していくことを述べていた。
なお、請求は6月22日までに実施する予定とのこと。
このほか、川平成雄氏から同リゾート開発が石垣市に250億円の経済効果をもたらすとする石垣市長の主張を検証した結果が公表されていた。
川平氏の計算では約7億円から8億円で、法外な数値を出して、経済効果を期待させていることを指摘。
同リゾートは、西表島でも多くの反対の声をものともせず建設を進めた後、2019年3月にほしのリゾートへ資産は移行され、ホテル名も変わっている。
将来、転売も疑われる。運営のゆくえはどうなるか、わからないといわれても、しょうがないのではないか。
(流杉一行)