9月15日午前9時30分、石垣島バンナ岳にある渡り鳥観察所でアカハラダカの飛来が観察された。
この日、午前8時頃からずっと無風状態が続いていたのは、雲が多く全体に層雲張り出して、薄暗い曇天のため。
アカハラダカは上昇気流を好んで舞い上がる。朝に飛び立つアカハラダカを見るには、この上昇気流が発生しやすい同観測所で待機するのがよいのだった。
午前9時26分頃に、少し風が感じられて、これから吹いてくれればと思う間もなく、北側にある南の島を見る展望台の上空から約11羽が旋回して現れた。
しばらく旋回して、11羽の内の8羽ほどで鷹柱を形成しようとして、上空に舞い上がるも、すぐにばらけて、南の方角に飛び去って行った。
この後、9時50分頃にも2羽ほどが同観測所周辺から南東方面上空に飛び、その先で旋回するアカハラダカ7羽と合流して、飛び去って行った。
計20羽の飛来はうれしい成果。記者は9月5日から台風14号の接近した11日と12日を除いて、連日観察。7日に4羽の猛禽類を確認するも、それらはツミであることが判明。9日も撮影できたが、これもツミ。10日も違う個体だがツミ。これらが南の空に消えていくから、紛らわしい事この上ない渡りのツミだ。13日は0羽で迎えた14日に20羽の飛来を確認できた。
これから飛来が増えてくるアカハラダカ。20日前後には大空に大きな鷹柱を見せてくれるはず。大いに期待したい。
なお、アカハラダカはロシアの極東でウラジオストック近くのウスリー南部や中国北東部および朝鮮半島で繁殖し、中国南東部・東南アジアで越冬する。春秋に九州・南西諸島を通過する小型の鷹で、八重山には9月初旬から飛来するが、今年は遅れ気味。
(流杉一行)