7月29日、八重山漁協の一本釣り研究会、カゴ網研究会、電灯潜り研究会の3団体によるサメ駆除が実施され、初日57尾のサメが捕獲された。
公的補助を受け実施されるサメ駆除は、漁業再生支援事業の一部の事業で、29日と30日の二日間に各漁師の漁場で実施される。
その目的は、漁師の獲った獲物や道具がサメによって奪われる被害をなくすため。いわば被害予防のための取り組み。
八重山漁協の3つの研究会がいっしょに取り組み、24隻の漁船と116名の漁師で実施される。
漁師は、ほとほとこのサメに困らせられており、40年前から漁師が連携して、サメ駆除を毎年一回は実施してきた。石垣市に水産課が設置された年から始まったというから、まさに漁師には切実だったことがわかる。そして、サメの繁殖力は強く、40年経ってもいまだにサメの害に困っている。
7月29日は、午後2時から日帰り組の船が戻って、次々に駆除したサメを水揚げ。
ほとんどが石垣市クリーンセンターで焼却処分されるが、この処分されサメを利活用しようと、沖縄本島からハンドメイド会社のCAFOOCA(金城立磨代表)がこの日のために来島して、サメ皮を剥いでいた。
またサメの肉を利用しようと、サメの肉をつかったサンドイッチをつくり、試食会を実施。サメ肉に関心ある人がおいしくたべられることに驚いていた。
また、漁港に偶然訪れた観光客の一人は「宮古島で、駆除をしていることは知っていたが、石垣島でもやっているとは知りませんでした」と述べ、「宮古島では観光客のためだと聞きましたが、石垣島でもそうですか」と記者に尋ねていた。
29日、早朝から洋上で泊まる5隻が遠い漁場へ向かい、一晩がかりで仕掛ける。運搬船2隻がその船が駆除したサメを漁協へ運ぶ。
日帰りで仕掛けてサメを運ぶ船も5隻。このほか30日に12隻が日帰りで仕掛けて捕獲し、サメを捕る。1日目の日帰りの船も、2日目に出動するために、2日目の30日の方が多くのサメが揚がる。
(流杉一行)