小雨の中 草刈り大会 八重山農林高校

 4月23日午前11時20分頃、石垣市カラ岳南西側の斜面で県立八重山農林高校による草刈り大会が行われた。

 毎年、同校の全校生徒が参加して実施している草刈り大会は、同校の伝統行事。農業クラブ活動の一環として実施し、また土壌改善のための堆肥・敷き草に使うためで、生徒らにはホームルームの団結と親睦を図る機会にもなっている。

 カラ岳の南西側にテントを張り、そこで開始式がおこなわれ、生徒らは刈り取り量第一位の人には、金の鎌を贈られることが告げられていた。

 この日、協議規則では、各学年ごと刈り取り基準量が定められていた。1年生では男子は30キロ、女子は20キロで、刈り取り場所は主に西側の低い場所で実施。2年生の基準量は男子40キロ、女子は25キロで、中央から西側の斜面を登っての刈り取り。3年生は基準量男子50キロ、女子30キロと中央から東側を登って刈り取っていた。

 刈り取った草は、テント前の秤で先生により計量され記録される。

 重量の多い順に3位までが表彰され、男女各1位には、金の鎌が副賞として与えられる。
 生憎の雨にたたられたものの、278名が実習服と長靴で身をかため、草刈りに取り組んでいた。

 小雨の中での作業は、足場の悪さもあって、私語で集まる余裕も少なく、皆、黙々とカラ岳の茅(ちがや)に向き合って、鎌の扱いと束ねて重くなった草と格闘していた。

 雨の中、草の運搬用の縄が切れたり、濡れた草のため滑って転ぶ生徒や、毒はないものの蛇の出現もあるなど、農作業にありがちな小さな障害を乗り越えながら、作業を続けた。

 約1時間半でこの日は終了となったのは天候の悪さから。別の日に、再度実施する方向で、小雨の中の草刈り大会はお開きとなっていた。

 草刈りの量の集計結果は、この日は出さないとのこと。

 この日、テントから正面の高い場所で草を刈っていた2年生の幸地帆歌さんは、
 「たくさん生えている草を刈っていくと、達成感があって楽しいです」
 と、記者の問いかけに笑顔で応えて、熱心に草を刈っていた。

 (流杉一行)

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