11月29日午前10時30分から石垣市の大川公民館で日本将棋連盟八重山支部(井手悌二支部長)による第12回八重山将棋まつりが開催された。
大会は午前と午後の部に分かれ、午前から一般S級(3段以上、希望者)、一般A級(有段者以上)、女流名人戦の対戦が、午後からは一般B級(級位者)、小学生名人戦、シニア名人戦(60歳以上)の対戦が行われた。参加者は幼稚園児から70代までの35名。
また、恒例のプロ棋士による指導対局会も実施され、今回は通算勝率5割超の平藤眞吾七段が来島して、同支部会員らを指導。
3人と対局しながら、平藤七段は親切に有効な一手の実例を局面ごとに説明していた。これまで、第1回から12回まで指導してきた高田尚平七段が現役引退となり、新たに平藤七段の来島となり、平藤氏は「なごやかに楽し気な将棋が指されて、南の島らしい温かい大会となっていました」と、感想を述べていた。
主催者の日本将棋連盟八重山支部は、コロナ禍から5月のジュニア大会を中止しており、感染防止対策を十全に実施して8月の市長杯は開催を実現。この日の八重山将棋まつりも、参加者の減少を気にしながらも、感染防止策に留意しながら無事開催。昨年より参加者は十数人減ったものの、将棋を愛する人には見逃せない大会とあって、熱い将棋愛好家が集合していた。
3段以上のS級の優勝には、日本将棋連盟八重山支部の支部長、井手悌二氏が初優勝の栄冠に輝いていた。S級の対戦は、対戦後に棋譜を起こすことが多い模様で、さすが有段者となると指した一手の重みが、この作業で伝わってくる。将棋を大切に想う人のレベルを知らされ、子ども達もこれを見て、学ぶものを感じるなら上等かも。
この日は、大中、石中、二中の中学生もSクラスやAクラスに参加して、若い気迫ある指し手を見せていた。
勝利者は次の通り
Sクラス優勝 井手悌二(一般:初優勝)、Aクラス優勝 新城拓勇(一般)、Bクラス優勝 後藤竜平(一般)、小学生名人戦優勝 喜納正直(松島小学校6年生)、女流名人戦優勝 野國未莉(新川小学校6年)、シニア名人戦優勝 登野城雅治(60代)
将棋界は、ここのところ若い藤井聡太の活躍で大いに盛り上がっている。一昨年から連勝記録で盛り上がった藤井聡太棋士の快進撃で、将棋熱に火が付き、八重山にも関心が高まったとも。ただ、最近は落ち着いてきたようだ。将棋の深さ、難しさがわかってきたからかもしれない。
今年、藤井棋士が棋聖と王位の2冠を獲得。将棋になおも国民の関心が集まったことはいうまでもない。大人に交じって子ども達が将棋を指す光景は、ことのほか増えたようにも思われる。ただ、コロナの影響には、逆らえず、参加者減は残念。
一方、若い世代が、ITソフトを活用して腕を磨き、既存の世界を一変させる大活躍をして見せ、新時代への牽引き役となる。
これがいろんな分野で起こってきてもおかしくない現象とすれば、そんな将来の構図を予言するような、画期的な現象でもある。
将棋界を動かした藤井聡太棋士の活躍ぶりは、将棋に関心ない人にも見逃せないところかも。
(流杉一行)