平成31年4月30日19時12分の日没時間を控えて、バンナ公園エメラルドの海が見える展望台で夕日を期待した人は、西の方角に目をずっととどめていた。観察する人は数人。
しかし、厚い雲が太陽の日差しを遮って、待てども奇跡的な雲の切れ間は現れなかった。平成最後の日の赤く染まった夕日は断念となった。
その少し前に、雲の切れ間から少しの日差しが漏れた太陽がこれ。
わずかな挨拶だが、赤く輝いた勢いを感じる日差しだった。
令和に年号が改まり、5月1日の午前6時9分の日の出の時刻、バンナ公園渡り鳥観察所からカラ岳方面に目をくぎ付けにするが、地平線に分厚い雲が現れたのはここ数日の高温気味の気象。
水蒸気が張り付いて帯になっている。帯びを越えてちらりと見えた点が、次第にサイズを増やし、減らし、消えてもまた出て、太陽の輪郭を見せるにまでにきた瞬間がこれ。
年号の切り替わる節目に、地平線は水蒸気の帯に囲まれ、厚い雲に覆われたことになる。
未来は、誰にとっても一寸先は闇。新時代は、万事雲の中を行く覚悟で臨めと勝手に解釈。意味はない。
(流杉一行)