憲法を守ろう ピースウォーキングで

 5月3日憲法記念日のこの日、午後2時から真栄里公園を出発地点として、新栄公園までの距離を歩きながら日本国憲法の良さをアピールする「ピースウォーキング」が実施された。

 これは、平和憲法を守る八重山連絡協議会(江川三津恵、上原均、平地ますみ共同代表)が主催するもので、今回で7回目。

 この日、集まった人々は、まず憲法を擬人化して「この世に生まれて、わきめもふらずにはたらきました」と歌われる、ジェームス三木作詞、きたがわてつ作曲の「わたしをほめてください」の曲を皆で合唱。

 出発に際しては同協議会共同代表の平地ますみ氏が、「憲法記念日に大事な(現行)憲法を、そして九条を守ろうという声を集めて実施してきたピースウォークは、今年で7回目になります。

 安倍政権は改憲を国会で発議しようとしています。私たちは、子供たちが大きくなるまで憲法を守り、戦争のない平和を実現させようと、広く市民に訴えていきたい」とピースウォーキングの主旨を述べていた。

 このあとピースウォーキングの横断幕を先頭に皆張り切ってスタート。

 先頭の速さに、「もっとゆっくり歩きましょう」の声がでるほど元気な参加者は、手に「平和」「自衛隊基地反対」「九条を守れ」などのプラカードを掲げて、颯爽と行進。

 今回は、2年前に県外から参加した家族が10連休を利用して遠方より加わり、地元参加者を大いに喜ばせていた。

 730交差点や離島ターミナル前を経て、道行く人にプラカードなどで憲法および九条の大切さをアピールし、通り過ぎる車に手を振るなどしていた。

 午後2時45分頃には新栄公園「九条の碑」の前に到着し、高齢で足腰の弱い人たちとの合流を果たしアピールタイムを実施。

 まずは、上原均氏から「憲法発布後72年、復帰後47年が経ったが、(現行)憲法によって沖縄県民の人権が保障されているとは言い難い。」と述べ、軍がらみの事件事故で、日本の警察は、米国のMPに任せるということが続き、県民の基本的人権、国民としての主権が憲法によって保障されてきたとは言い難いと述べ、沖国大の米軍ヘリ墜落事件を例に挙げて、「我々の元には憲法は届いていない、憲法の光は届いていないと感じています」として、この憲法記念日に憲法の意義について感じてほしいと述べていた。

 このあと、参加者による反戦の俳句、短歌や詩吟などが披露され、60人ほどに参加者も増えて、盛況理に会は進行。

 最後に、「9条改憲NO! 平和といのちと人権を~許すな安倍改憲発議~」集会アピール文を読み上げて、皆の拍手で採択され、閉幕となっていた。

 昨年5月3日のピースウォーキングでの豪雨から途中で中止となった日も、参加者は60人で、年々改憲の様相を増す世相に加え島では自衛隊基地の建設の着手が起こっているにも関わらず、参加者が現状維持の状況を共同代表の平地氏は、「それでも、我々にできることは、続けることですと」きっぱりと、諦めず粘り強く取り組むことを述べていた。

 なお、島では自衛隊推進派による一般市民へ向けたイベントはなく、憲法記念日に市民への改憲へのアピールの声も島に起こっていない。

 議席を得て、流れを呼び込めば改憲議論に国民は不要とばかり、国民不在の改憲の動きが、最南端からはよく見える光景でもある。

 辺野古の県民投票をするしないで、中央からの指示が露呈すると、一気に県民投票をする方に転がった自治体を思うとき、見えない勢力が意図的に暗躍しているかに、中央で起こっている現象すべてが不気味に感じてしまうのは、記者だけか。

(流杉一行)

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