新春於茂登登山・自然観察会

 1月6日午前9時半から、県立青少年の家主催の於茂登岳登山が実施され、集合場所の大本小学校には23人の参加者が集った。

 新年を迎えて県内最高峰の於茂登山に登ろうと集まった参加者からは、山の清々しい空気を吸いたいという声出ていて、生憎の小雨交じりの曇り空ながら、皆、合羽に長靴と、雨具も完全装備で、山登りにやるき満々。

 午前10時半には、登山道入り口で準備体操をしたあと、ガンバローの掛け声でいざ出発となった。

 途中、自然に詳しいトンボ研究で知られる渡辺賢一氏を講師に、於茂登登山道周辺で見られる動植物の自然観察もおこなわれて、有意義な時間となっていた。

 出発前には、アサヒナキマダラセセリについて、仲間は寒冷地にしかいないにもかかわらず亜熱帯の八重山に生息するその不思議な生態についての詳しい解説や、登山道では、エゴノキの花や、アリモリソウ、オオハナサキガエル鳴き声や、ヤブツバキ、ツワブキ、オキナワウラジロガシなど、現れる生物をその都度解説していた。

 降雨から水量があがった滝も見学でき、参加者は足場をしっかり確認しながら、一歩一歩マイペースで頂上を目指して登り、時折、渡辺氏の動植物の解説を聞きながら小休止しながら雨の辛さも忘れて、正午頃に頂上に到着。さっそく記念撮影をしたあと、強風の頂上で職員が用意した伝統凧ピキダーをあげて、正月気分を盛り上げようとしたが、3mほど瞬間にあがったきりで、その後は強風で破れて、一瞬の凧となっていた。ただ、県内最高峰での凧あげゆえに、県内でもっとも高く上がった凧になると、見守る参加者は喜んでいた。

 西表島から参加した松平絵真さん(47)は「雨の中の登山は新鮮で、凧あげもあり、悪天候の中でいっしょに登る人との一体感が楽しめてよかった」と、感想を述べていた。

 砂川美地留さん(56)は、「於茂登岳は晴れていても私にはたいへんで、ときどき登りますが、今日は雨ですので、心配しましたが、無事登れてよかったです。前にも屋良部岳登山などで、いろんな植物や動物の説明をたのしみに参加させてもらっています」と述べていた。

 講師の渡辺氏は「雨で中止するのではなく、雨でもしっかり雨具などで備えて、雨も自然の一部ととらえ、その自然を体験することは大事です」と、雨天でも登山ができ、自然観察ができたことを評価していた。

(流杉一行)

この記事をシェアする