コアジサシ飛来

 5月10日、石垣島の新川川河口の中洲にコアジサシが舞い降りて、周囲を見回して警戒感をあらわにしているのが観られた。コアジサシは冬場には姿は見られず、夏に島にやってくる夏鳥で、やがて人の近づかない場所を見つけて繁殖する。

 体長は22センチから28センチの小さなサイズのアジサシで、ヨーロッパ・ロシア西部・中東・インド・東アジア・東南アジア・オーストラリア・アフリカ・北アメリカ中部から南アメリカ北部で繁殖。日本では、本州以南に渡来して繁殖する。

アジサシは鯵刺と書くために、鯵を刺して食する野鳥のことだと思いがち。

実はそうではなく、竿の先にトリモチを巻いて、すばやく差し出して鳥をとることを鳥刺しといい、この魚を捕る野鳥という意味で鯵をとる野鳥のことをアジサシという。

 これから、八重山には普通のアジサシや、ベニアジサシ、エリグロアジサシ、オオアジサシなどの夏場にやってきて営巣をするアジサシが、人目の届かない場所で新たな生命を育み育てることになる。

八重山に豊かな自然があるから、彼らの飛来があることを考えれば、大切な自然がいつまでも保たれることを、願って止まない。

(流杉一行)

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