12月28日29日の2両日、石垣市大川公民館で午前9時から午後5時まで八重山菊同好会(会員16名)による第50回八重山菊同好会展示会が開催され、多くの市民が見事な菊の展示を鑑賞していた。
その総数395点。大菊盆養33点、だるまづくり42点、大菊数本立て7点、小菊盆栽29点、ロウソクづくり20点、玉づくり4点、懸崖10点、ポットマム250点。見事な咲きっぷりの菊が勢ぞろいして、広い会場をすみからすみまで華やぎ尽くしていた。
復帰前、八重山農林高校の先生が本土で研修に出た機会に各地で実施されている菊の品評会に触れ、本土から菊の種を入手してそれがきっかけで、八重山菊同好会を開いたのが、1967年。同年に植物に詳しい大浜長義氏が同好会の初代会長となり、第一回八重山菊同好会展示会を開催。
1977年までは10月で実施してきたが、1978年からは12月に実施すれば、正月に仏壇に飾る花として売れることから開催月を変更。
かくして40年間12月開催を維持してきた。また、台風の被害を考えると12月開催が八重山には適していることもうなずけた。
この菊展示会は、なんと素人からすれば、実に見事な光景に映る。なにしろ大輪の菊は、まず見られない。しかも数が多い。この日の大輪の菊の作品は79鉢で、数本立ての大菊が7つもある。
ちょっと考えると気がつくが、この日に菊を満開にできる技能がある人の作品群であること。
いわば、菊の開花時期をこの日にもってこれる専門家がやっている展示会なのだ。
品種によってタイミングが絶妙となる。
かつ、この展示の後は、ほしい人に売る即売会にもなっている。だからこそ意欲も高まるというもの。1年がかりで菊を育て、電照による栽培で日照時間をコントロール。毎日、茎に生まれ出る脇芽を刈り、手を尽くして生育する。
29日には、展示品の入賞者への授賞式も実施され、仕立て別に入賞者に表彰状が贈られた。花壇仕立てでは小浜猛さんに市長賞が、大菊数本仕立てには慶田盛吉弘さんへ八重山市町議会会長賞が、大菊三本盆養管物仕立てには野原裕佳に石垣市商工会賞が、大菊三本盆養管物仕立てには慶田盛吉弘さんが石垣市観光交流協会賞、大菊だるまづくり厚物仕立てには、野原裕佳さんに八重山毎日新聞賞が、大菊だるまづくり管物仕立てには、大底安宏さんに平田観光株式会社賞が、懸崖仕立てには野原裕佳さんが宮平観光株式会社賞が、小菊盆栽仕立てには星英夫さんに沖菊連会長賞が、玉づくり仕立てには慶田盛吉弘さんへ沖縄タイムス賞が、ポットマム仕立てには上里直浩さんへ八重山菊同好会長賞が、それぞれ受賞して、授賞式を迎えていた。
(流杉一行)