10月23日午前11時から石垣市役所市長室で平成29年度森の名手・名人伝達式がおこなわれ、沖縄県緑化推進委員会理事長の平良喜一氏から池村鍛冶屋の池村泰欣(やすよし)氏(68)へ森の名手名人の認定証が手渡された。
これは公益社団法人国土緑化推進機構が毎年選定しているもので、森や山に生業として関わりながら、すぐれた技をもってその業を究める人に贈られるもの。
ものくに・にっぽん運動と称する、人と自然が共存する新たな価値観とライフスタイルを提唱し、持続可能な社会づくりを目的にする取り組みが同機構により行われている。
同機構によると、元来、日本人は古くから森や海、川の自然を守り、育てながら、その恵みを得てきた。
人々の優れた知恵や技を駆使すると同時に、自然の豊かさも育んできた。
地球温暖化などが進む現代、地球環境の保全が言われる今、先人から受け継いだ知恵や技を改めて見出し次代に継承することが急務となっている。
そこで、同機構は森や山に関わりながらすぐれた技を持つ人で、他の技術・技能者、生活者から模範となる達人を「森の名手・名人」として、「森づくり」「森の恵み」「加工」「森の伝承・文化」の4部門を設けて選定している。
今回、池村さんは「加工」部門での選定で、沖縄県からは平成14年から平成28年まで18名が認定。
今年度は全国で70人が認定されている。
県内通算19番目に認定を受けた池村さんは、挨拶に立ち
「3代目で、農具漁具をつくっています。お客さんと相談しながら島に適した道具をつくっています。黒島や竹冨島のような石の多い島には、クワやヘラに独自な工夫がしてあります。この仕事を41年やっていますが、手打ちの仕事なので力がいります。いつまで続けられるか分かりませんが、体の続く限り、島に合った鍛冶作りを心がけていきたいと思います。」
と述べていた。
なお、このほかに石垣市からはサバニ大工の新城康弘さん、面づくりの田場由盛さん、木工業の戸眞伊擴さんが認定されており、与那国町でも木竹蔓細工で池間苗さんがいる。
(流杉一行)